部品や色を自分好みに「世界に一つだけ」を 豊岡のかばんメーカーがランドセル専門店

2022/06/26 05:30

タカアキが開設したランドセル専門店の内部。壁一面に色とりどりの製品が並ぶ=豊岡市九日市下町

 かばんメーカーの「タカアキ」(兵庫県豊岡市九日市下町)が、ランドセルの専門店「リコモン」を本社の敷地内に開設した。自分好みの部品や色などを選べるシリーズのほか、子どもの体に合わせた特注品など5種類を用意。宿南孝弘代表取締役(61)は「地場産業を盛り上げる気概で、販売していきたい」と意気込む。(丸山桃奈) 関連ニュース 思い出深いランドセル捨てられない…財布やキーホルダーにリメイク!「大人になっても使える」 入学祝いはお兄ちゃん手製、本革のランドセル 兵庫・豊岡の小3男児が妹にプレゼント ランドセルに入った子猫にメロメロ♡ 「ヤバかわ!」「このまま学校へ連れて行きたい」


 同社は2010年の設立で、主にかばんと財布を製造する。しかし、新型コロナウイルス禍に伴う行動制限で既存製品の需要が急減。20年ごろからランドセルの製作を始めた。宿南さんは「豊岡はかばんのまちなのに、ランドセルの店が少ない」と感じ、直営の専門店として開いた。店は、但馬弁の「りこうもん」(利口者)から名付けた。
 新店舗は、ライト▽スタンダード▽プレミアム▽ベッチュウ(別注)▽ベッチュウ・マアル-の五つのシリーズ品をそろえ、価格は5万6100~8万3600円。いずれも地域ブランド「豊岡鞄(かばん)」の認定を受けた。
 ベッチュウは「かぶせ」やファスナーの金具、糸など10項目からそれぞれ好きな色やデザインを選ぶことができ、組み合わせは1億通り以上という。
 ベッチュウ・マアルは、手に障害がある児童の名前に由来する。同社が2月、入学を控えた「マアルちゃん」が使いやすい特注ランドセルを納めたのをきっかけに、シリーズ化した。
 病気や障害など体の特性によって既製品の使用が難しい児童向けで、かぶせを留める金具をマグネットに、ファスナーの金具をリング状にするなど、より使いやすさを追求した。
 店内にカウンセリングのスペースを設けて個別相談に応じる。子どものニーズを幅広く吸収して、製品づくりに生かす考えだ。宿南代表は「世界に一つだけのランドセルを作ることができる。まずは地域の人から広めていきたい」と話している。
 背負うタイプのビジネスバッグである「大人のランドセル」も扱う。店舗での試着や撮影も可能。電話またはネットでの予約制。午前9時~午後6時半。不定休。タカアキTEL0796・22・7723

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