湯村温泉の湯、広島の原爆養護ホームへ 闘病支援、交流30年に

2022/08/06 05:30

広島市内へ届けられた湯村温泉の源泉=広島市安佐北区倉掛(新温泉町提供)

 6日の広島原爆忌を前に、兵庫県新温泉町と湯村温泉観光協会が、広島市の原爆養護ホーム2カ所に湯村温泉(同町湯)の源泉計7トンや、平和を願う折り鶴6万羽などを届けた。 関連ニュース 神戸市外大生が「模擬国連」最優秀賞 世界各国の学生と国際問題討議「準備報われた」 原爆の悲惨さ物語る遺影2万5千点 物言わぬ姿と体験記が紡ぐ共感 広島・追悼平和祈念館 <託す声~胎内被爆者と若者たち>(上)原爆投下の日、母が見た地獄

 同町の湯村温泉は、胎内被爆した芸者の生きざまを描いたNHKドラマ「夢千代日記」の舞台で、旧温泉町と観光協会は1992年から、原爆養護ホームの入所者への闘病支援として湯を送り続けている。2006年からは観光客や地元住民らが作った折り鶴の寄贈なども始まった。
 新型コロナウイルス禍で3年ぶりの実施となり、町職員や観光協会スタッフが7月27日の早朝からポンプ車に源泉をくみ取り、約5時間かけて同市内に輸送した。湯は「倉掛のぞみ園」(同市安佐北区)と「神田山やすらぎ園」(同市東区)に届けられ、大浴場や足湯用のおけに給湯された。やすらぎ園の内山偉文園長は「久しぶりにお湯が届くとあって、入居者の皆さんも心待ちにしていた。また来年もお願いしたい」と話していた。(末吉佳希)

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