わずか5分、暗闇に浮かぶ光一直線に ほのかな明かりに豊作願う 豊岡・日高
2022/08/26 17:30
暗闇の中、一直線の農道に150個の明かりがともった=豊岡市日高町広井
五穀豊穣を願い、火難を払いのける祭り「万灯火」が24日夜、兵庫県豊岡市日高町広井であった。暗闇の中で一直線に連なる明かりが、幻想的な光景を織りなしていた。
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広井地区はかつて水不足に悩まされた。祭りは干ばつや火災、伝染病から地区と住民を守る願いが込められているという。毎年8月24日に行われ、かつて天候不良などで中止になったことはないという。
午後7時過ぎ、たいまつと角麩を手にした住民たちが、列になって農道へ向かった。12メートル50センチの間隔で立ち止まると、その場でしばらく待機した。
太鼓の音が鳴り響くと、住民らは1・8メートルの高さに設置されたワイヤーに、灯油を染み込ませた角麩を2・5メートルごとに150個をつり下げて点火。角麩は煙を上げながら勢いよく燃え、長さ375メートルの赤い光が農道上に浮かび上がった。
明かりは約5分ほどで一つ、また一つと消えていった。ほのかな光の祭りは、夏の終わりを告げるかのようにして、幕を閉じた。
広井地区の男性(73)は「わずかな時間なのがいい。来年の楽しみになる」と静かに語った。(丸山桃奈)