明治に植樹、シンボルの校樹倒れる「大切にしてきただけに残念」朝来の東河小 台風11号
2022/09/06 20:30
強風で倒れた東河小学校のセンダン。同校のシンボルだった=朝来市和田山町東和田
大型で強い台風11号は6日、日本海を北東に進み、兵庫県に接近した。但馬地域でも鉄道や航空便に影響したほか、一部の小学校が臨時休校し、漁業者は出漁を見送った。
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JR西日本は山陰線の浜坂-東浜(鳥取県)間で始発から運転を見合わせたが、午後7時半すぎに再び運行を始めた。城崎温泉-浜坂間は午前9時ごろから運休した後、午後5時20分ごろに再開。播但線の寺前-和田山間も一時運休したが、午後3時50分ごろに動かした。
空の便も余波を受けた。日本エアコミューターは午前の但馬-伊丹線2便を欠航。午後の2便は遅れて運航した。
県但馬教育事務所によると、強風のため養父小学校(養父市養父市場)が臨時休校した。
東河小(朝来市和田山町東和田)では、校庭のセンダンが倒れた。校歌にも登場する同校のシンボルで、かつて児童らが根周りの土壌を改良し、樹勢を回復させるなどしてきただけに、学校関係者や住民らはショックを受けている。
1909(明治42)年に植樹され、66(昭和41)年には校樹に。89年には県の郷土記念物にも指定された。6日早朝は異常がなかったが、午前10時ごろ、倒れていることに学校の職員が気付いたという。児島直記校長は「大切にしてきただけに、残念で仕方ない」と説明。今後は根元から伸びている若芽を育てるなどしてシンボルを守っていくという。
柴山港(香美町香住区沖浦)では、湾内に強い風が吹き付け、岸壁に面した民家まで波しぶきがかかるなどしたため、県新温泉土木事務所の依頼を受けた建設会社や地元の消防団員らが約160メートルにわたって岸壁沿いに土のうを並べた。香美町村岡区柤岡では、強風で民家の屋根板が飛ばされる被害があった。
香住海上保安署は各漁協に対し、小型船舶の係留強化や陸揚げを検討するよう要請。香住漁港では5日のうちに各漁船が帰港し、6日は出港を見合わせた。(丸山桃奈、小日向務、長谷部崇)