預金取引ない男性が融資求める…? 違和感抱き通報、130万円の投資詐欺防ぐ 但馬銀行浜坂支店に感謝状

2022/10/08 05:30

署長感謝状を受けた但馬銀行浜坂支店の楠田信介支店長(左)=美方署

 投資に関わる詐欺被害を未然に防いだとして、兵庫県警美方署は4日、但馬銀行浜坂支店(新温泉町浜坂)に署長感謝状を贈った。 関連ニュース 「PCのウイルス除去費、電子マネーで」「ありえない、それは詐欺です」啓発チラシで説得、被害防ぐ 「迷ったら警察へ通報を」コンビニ店員と農協職員、特殊詐欺被害防ぐ 声かけ、会話に違和感…訓練生きる 「私だけ」「期限」特殊詐欺あるあるワードに「ピンときた」 郵便局員が500万円の被害防ぐ

 60代の男性客が9月15日午前11時ごろに来行。窓口で「為替を利用した投資にかかる税金(納付)のために130万円を貸してほしい」と融資を申し込み、楠田信介支店長(47)が対応した。預金取引のない男性が融資を求めたり、通常と異なる税金の請求を受けたりしていることに違和感を抱き、詐欺の可能性を伝えた上で、他の行員に警察へ通報させ、署員の到着を待った。
 同署によると、男性は4月から交流サイト(SNS)で、台湾人女性をかたる人物とメッセージのやりとりをしていた。8月になって投資話を持ちかけられ、既に数回に分けて約200万円を振り込んでしまっていたという。
 感謝状を受けた楠田支店長は「既に被害にあっていたのが残念だったが、新しい被害を止められてよかった」と話した。
 美方郡での詐欺被害はこの2年ほど発生していないが、最近は詐欺の相談件数が増加傾向にある。石井克央署長は「地域や行政の地道な啓発が浸透し、相談件数が増えている。但馬銀行をはじめ、地域の方々に感謝したい」と話した。(斎藤 誉)

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