「小児まひ」根絶を呼びかけ 自転車で日本縦断PRに挑戦中 東京の男性が香美町を通過

2022/10/16 05:30

ポリオ根絶を願い、日本縦断に挑戦している宮崎陽市郎さん=香美町香住区下浜

 ポリオ(小児まひ)根絶を呼びかける世界ポリオデー(10月24日)に合わせ、自転車で日本縦断に挑戦している東京三鷹ロータリークラブ(RC)の宮崎陽市郎さん(62)が14日、兵庫県の但馬地域に入った。学生時代に鳴らした自転車で山陰路を抜けた後、自らが設定したゴール地点の鹿児島を目指す。(長谷部崇) 関連ニュース 養父市の今井久雄副市長が退任 30日付 冬の竹田城跡で特別体験を 期間限定、1日2組ガイドツアー 公立八鹿病院、PET-CT導入 但馬地域で初、がんや認知症診断 豊岡病院と共同利用

 ポリオウイルスに感染すると、手足にまひが残ることがある。世界中のRCは1985年からワクチン接種や啓発に取り組んでおり、ポリオ根絶に毎年1億5千万ドル(約220億円)を寄付。RCと「パートナー団体」による支援で、毎年4億人以上の子どもに予防接種の機会を提供している。
 「世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)」が立ち上がった88年当時、年間の患者数は125カ国以上で推定35万人に上ったが、その後感染者は99・9%減少。2千万人以上が身体まひから救われた計算になるという。ただ、アフガニスタンやパキスタンでは現在も感染が確認されている。
 学生時代に自転車で2カ月かけて日本1周約8千キロを走破したという宮崎さん。自転車は約40年のブランクがあったが、ポリオ根絶の取り組みを広く知ってもらおうと、日本縦断でPRすることにした。
 東京三鷹RCがある東京都南部の地区番号「2750」にちなみ、約2750キロのコースを設定。10月1日に北海道の宗谷岬を出発し、23日に鹿児島県の佐多岬でゴールする予定で、本州では車の通行量が多い太平洋側を避けて日本海側を選んだ。
 この日は福井県高浜町から京都府を抜け、香美町香住区の民宿まで約130キロを走り抜いた。ナビゲーションの推奨ルートが「とんでもない山道」だったが、「ヒルクライムは意外と好きなので楽しめた」という。「RCが世界の子どもと約束したポリオ根絶まであと一息。皆さんも関心を持ってほしい」と話した。
 ポリオ根絶の寄付金も募っている。詳細は「エンドポリオ サイクリングチャレンジ2750」のホームページで。

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