和食に合う地ビール 醸造所とホテル料理人ら開発

2021/03/08 05:30

オリジナルの地ビール開発に携わった料理人ら=丹波篠山市福住

 「和食に合うクラフトビール」をテーマに、「丹波ささやまホロンピアホテル」(兵庫県丹波篠山市中野)の料理人たちがオリジナルの地ビール「ササヤマエイト(通称S8(エスエイト))」を、地元の醸造所「丹波篠山 旅路のブルワリー」(同市福住)と共同開発した。「ペールエール」と呼ばれる種類のビールで、すっきりと軽やかな味わいが特長。同ホテルなどで8日から本格的に販売する。(堀井正純) 関連ニュース コロナ禍、酒蔵5社が連携 家飲みセット「違い味わって」 おいしい生ビール、陰で支える「0・7センチのスポンジ」 ホットビール「冬の定番」挑む! 新市場開拓へ専用サーバー開発、貸し出し戦略


 同醸造所は、市内各地で古民家再生に取り組む「NOTE(ノオト)」(丹波篠山市)の関連会社「NOTE JAPAN」が2年前から運営している。昨年夏ごろ、「NOTE」の藤原岳史代表が、友人である同ホテルの山下由晶社長へ「空いている醸造タンクがあるが使ってみないか」と打診。山下社長が「コロナ禍だが、前向きに何かやってみよう、丹波篠山のPRにもなれば」とビール造りに挑むことを決めた。
 ホテルの系列の居酒屋などの料理人7人とともに山下社長自らも開発に携わった。理想の味を探求し、各地のビール約30種類を飲み比べた。求める味のイメージを醸造所のスタッフに伝え、レシピ作りを進めた。
 クラフトビールは個性派が多いが、目指したのは、和食の繊細な味わいを生かせる風味。昨年10月に約300リットルを仕込み、1カ月間熟成させた。「ビールの魂」ともいえる、ホップ選びにこだわり、3種をブレンド。「柑橘(かんきつ)系の爽やかでフルーティーな香りが楽しめる」と料理人の一人、上山兼治さん。麦芽やホップのほか、副原料に丹波篠山産のコシヒカリを加えたことで、優しい甘みの後味になったという。
 商品名は、山下社長らホテルの8人が開発に関わったことにちなむ。上山さんらは瓶詰めやラベル貼りも経験。「料理人が自ら造った地ビール。自信作です」と胸を張る。
 同ホテルフロントで瓶ビール(330ミリリットル)を販売するほか、系列の居酒屋「うえぱら」などではグラスビールも提供する。いずれも640円。同ホテルTEL079・594・2611

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