故村田英雄さんのご当地ソング 「多紀町音頭」復活へ児童たちが一丸 「広め隊」結成、住民に踊り伝授
2022/07/21 05:30
児童たちが住民に多紀町音頭を伝授した講習会=丹波篠山市草ノ上、多紀小学校
「王将」などで有名な演歌歌手・故村田英雄さんが歌った兵庫県多紀町(現丹波篠山市)のご当地ソング「多紀町音頭」。合併で同町がなくなり、踊りを知る人が少なくなった音頭を復活させようと、多紀小学校(同市草ノ上)の児童たちが2年前から取り組んでいる。「多紀町音頭広め隊」として、3年生が住民向けに講習会を開き、踊りを伝授。今秋の運動会で、大きな「踊りの輪」ができることを目指している。(堀井正純)
関連ニュース
トータス松本さん「あれやろ、ダイエーのとこ」地元トーク炸裂
上野樹里がツイッターをフォローしたら… ふるさと兵庫・加古川市の観光大使に
酒井法子さん、丹波のミニシアターに登場した理由 地元住民“のりピー”に会えてマンモスうれピー
多紀町音頭は1967年、同町新庁舎の落成を記念し制作。8番まである歌詞には、地元の名所や祭礼などがちりばめてある。
当時の同町総務課長で、後に旧篠山町助役を務めた谷舗敏一さんがレコード会社へ必死で頼み込み、人気歌手だった村田さんによるレコーディングが実現した。75年の合併で多紀町は篠山町となり、以降、多紀町音頭が踊られる機会はほとんどなくなった。
2020年、当時の同小3年の児童たちが、地域学習で西井幸路さん(65)ら住民から振り付けを学び、翌年、他の学年にも踊り方を教えた。校区内では曲は知っていても、踊れない人が多いといい、さらに住民たちへも対象を広げた。
今年も旧大芋小、旧福住小で講習会を開催。14日の多紀小体育館では、約20人の住民や保護者らのほか、たき認定こども園の園児約30人が参加。まず児童たちが手本を示し、音楽に合わせ、みんなで舞い踊った。
3年の女子児童(8)は「お月さま丸く、と手で円をつくったり、ピョンと跳びはねるところが面白い」と踊りの魅力について話していた。「子どもたちが広めてくれてうれしい」と西井さん。押部匡子校長は「大切な地域資源として踊り継いでもらえたら。9月23日の運動会が待ち遠しい」と、張り切る児童たちに目を細めている。