猛暑で疲れた体に染み渡る滋味 鹿肉カレーで「ジビエ」を身近に 丹波篠山・素滋食堂
2022/08/28 05:30
鹿肉カレー。オーダーメードの丹波焼の黒い器が料理を引き立たせる=丹波篠山市古市、素滋食堂
暑さが和らぐとされる二十四節気の「処暑」(23日)を過ぎ、朝晩は少し過ごしやすくなった。とはいえ今年の猛暑で、バテ気味の人も多いのでは? そんな方々に紹介したいのが、「鹿肉カレー」だ。疲労回復効果のある鹿肉と季節の野菜、カレーのスパイスが、疲れた体に「うるおい」を与えてくれる。(谷口夏乃)
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今年3月にオープンした「素滋(そじ)食堂」は、かつて宿場町として栄えた兵庫県丹波篠山市古市の旧街道沿いにある。隣接するセレクトショップ「アーキペラゴ」店主の小菅庸喜(のぶゆき)さん(39)と、空間デザイナーで猟師の佐田祥毅(ひろき)さん(40)が共同運営する。「食を通じて山や土地を知ってもらおう」と、20年ほど空き家だった農協の建物を改装した。
「素滋食堂」の「素」は素朴さや素材を、「滋」は滋味やみずみずしさを表している。内装は、丹波地域の木材をふんだんに使い、心地よい空間を演出。食材は近隣地域の生産者から仕入れ、食器は丹波篠山の工芸作家が手がけた作品をそろえるなど、地産にこだわりぬいた。
鹿肉カレー(1200円)は、「ジビエ」を身近に感じてもらおうと発案。鹿肉は佐田さんともう1人の猟師が捕ったものを使う。食べやすいようミンチにして、スパイスなどと煮込んでいる。
口に運ぶと、タマネギとトマトの甘みが広がり、鹿肉独特の臭みは感じない。子どもでも食べやすそう。添えられたナスやオクラなどの夏野菜の素揚げは、素材本来の味を堪能できる。特に、にんじんサラダは驚きの甘さだった。
カレーといえばラッシーだが、素滋食堂では自家製甘酒が付いてくる。もち米とこうじだけで作られていて、飲みやすく、そしてとにかく甘い。落ち着いた空間と優しい味わいに、心身ともに満たされた。
午前11時~午後5時半(昼食は午後2時ラストオーダー)。水、木、金定休。店内には食材や農加工品、食器など「食」に関連した商品を扱うショップコーナーも。TEL079・550・9096
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