食べて知って稲美町の魅力 飲食店でため池カレーフェア
2021/09/15 05:30
El・Liston(エル・リストン)の「琴池具沢山スープカレー」(稲美町商工会提供)
兵庫県稲美町内に88カ所あるため池をイメージし、地元産の野菜を使ったオリジナルカレーを販売する「INAMIため池88カレーフェア2021」が、町内の飲食店8店で開かれている。地域を盛り上げようと、各店が盛り付けにもこだわり、見た目でも楽しめる。10月12日まで。(門田晋一)
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町商工会や地元飲食店などでつくる実行委員会の主催。3回目となり、ファンが増えつつあるという。メニューは池の名前が組み込まれ、辛さは3段階に分かれている。PR動画は、プラスチック加工した剣や魔法のつえなどの製造販売で知られる「匠(たくみ)工芸」(高砂市)が手掛け、町商工会ホームページ(HP)などで公開している。
同町国岡のカフェレストラン「ターン・ベリー86」は、入ケ池をテーマに、地元で採れたトマトやタマネギを使った焼きキーマカレーを提供。同町岡の「カフェ&レストランいな美の里」は、県内最古とされ、貯水面積が2番目の天満大池を表現し、カレーにはカボチャやハンバーグが浮かぶ。
町商工会の原田慶一事務局次長(52)は「新型コロナウイルス禍で暗い話が多いが、各店のカレーを食べて元気になってもらい、稲美町のことももっと知ってほしい」と話す。
参加店のメニューなどは町商工会HPで見られる。コロナ感染対策で店舗が休業する場合もある。町商工会TEL079・492・0200
■ため池の役割は? 人、動植物に多様な恩恵
昨年もため池カレーフェアを紙面で紹介したところ、会員制交流サイト(SNS)などでは、カレーの題材となっているため池について、色やにおいに関するマイナスイメージの投稿がちらほらあった。そもそも、稲美町にある88カ所のため池は、どんな役割を果たしているのだろう。
町によると、町内のため池は計1400ヘクタール(阪神甲子園球場約364個分)の田畑で使う水を蓄え、米や麦、トウモロコシなどを育んでいる。
恩恵を受けているのは農作物だけではない。東播磨県民局によると、県版レッドデータブックで絶滅の危険が増大しているBランクの水生植物「アサザ」や「オニバス」が群生する池も。10月~翌3月の水を抜いた時期を中心に、国の特別天然記念物コウノトリが餌を捕りに訪れ、2020年度は同町に58羽が飛来した。
近年は親水空間としての役割も果たし、ウインドサーフィンやボードに立ってパドルをこぐスタンドアップパドルボード(SUP=サップ)といったマリンスポーツを楽しめる池がある。