還付金詐欺、親子の「声」で防げ 音声機器「せっと君」高砂市内の無人ATMに設置

2021/11/22 05:30

せっと君(手前)を使って還付金詐欺の注意を促す高橋明日香巡査部長=高砂市緑丘1

 市役所職員をかたり、言葉巧みに高齢者をだます「還付金詐欺」を防ぐため、兵庫県警高砂署は、センサーで人を感知して自動で音声が流れる防犯グッズを、同県高砂市内11カ所で無人の現金自動預払機(ATM)に設置した。同署生活安全課員がわが子との掛け合いを録音し、注意を呼び掛けている。 関連ニュース 特技のイラストで詐欺ストップ! 三田署・西沢巡査部長が作成 スーパーやコンビニに掲示「手口知って」 電話しながらATM操作する高齢女性に話し掛け、還付金詐欺阻止 宝塚の女性に感謝状 伊丹署 84歳の母、弱々しい演技でオレオレ詐欺を翻弄→撃退! 「無双だな」投稿した息子に聞いた

 防犯や防災用品などの製造販売「サンエス技研」(横浜市)が開発。商品名の「せっと君」には、詐欺に遭わないように、また万引、ごみの不法投棄を思いとどまるように説得する-との意味があるという。
 同課の高橋明日香巡査部長(34)が設置を計画。長女(8)と「今、電話をしているあなた!」「『今日手続きをすればお金が戻ってきます』と言われていませんか」「それ詐欺ですよ」などと30秒ほどの会話を録音した。
 同署によると、県内では今年、8月末までで563件の詐欺被害が発生。「オレオレ詐欺」や「架空請求」など手口をおおむね10種類に分けると、還付金詐欺は約35%を占めたという。同市内でも、同期間に2件の被害があり、うち1件は還付金詐欺だった。
 高橋巡査部長は、親子で“共演”した狙いを「大人が話すより、子どもの声の方が高齢者に届くはず」とし、「『おかしい』と立ち止まるきっかけになってほしい」と願う。(千葉翔大)

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