にゃんだか元気がでるよ 障害者の就労事業所に「保護猫サロン」併設、来所のきっかけに 加古川

2022/01/20 05:30

猫を見守る国広淳さん(左)と中藤啓子さん=加古川市野口町坂井

 障害者が軽作業などの就労訓練を受ける就労継続支援B型事業所で、保護猫サロンを併設したユニークな施設が、兵庫県加古川市野口町坂井にある。猫の世話も作業内容に組み入れる一方、アクセサリー作りなどに取り組む障害者が、作業の合間に猫と接して癒やされている。サロンは誰でも見学でき、運営者は「猫を入り口に、障害者の就労にも関心を寄せてほしい」と願う。(広岡磨璃) 関連ニュース 猫カフェ「猫の屋おでん」 屋号に込められた「アツアツ」の愛 神戸 猫カフェから学ぶ「共生住宅」作りのコツ 脱走防止策や爪とぎ対策に「+αの工夫」 「保護猫カフェ」飼い主探しの場に じかに触れ合い新たな家族との出合いを


 事業所「つみき」と、サロン「ウィズ マリリン」。住宅設備工事会社を経営する国広淳さん(47)が一般社団法人を設立し、昨年1月に開設した。ボランティア活動で知り合った中藤(なかとう)啓子さん(67)が、同事業所の管理者に就任。中藤さんは捨て猫などの保護活動を20年続けており、民家を借りて個人で保護していた8匹をサロンに連れてきた。
 サロンを併設したことで、外出が苦手だった障害者が、猫に興味を持って事業所を見学するきっかけになるなどの効果が出ているという。サロンは無料見学と、100円でおやつをあげる体験ができる。保護猫カフェとしての営業も計画しており、実現すれば就労の場が増えることになる。
 同事業所の利用者は現在、20~50代の男女9人。やりたいことを仕事にしてもらう方針で、それぞれ編み物や手芸などに取り組む。市内から通う男性(33)は金属製のアクセサリーなどを制作。「自分が好きで得意なことができて、やりがいがある。疲れたときには猫と遊んで癒やされている」と笑う。
 保護猫や保護犬を巡っては、障害者が暮らすグループホームでも、癒やし効果などを期待して一緒に暮らすタイプの物件が、各地で登場している。
 同事業所では昨年11月から、不定期で青果の販売も開始。国広さんは「販売は高齢者の買い物支援の意味合いもある。障害者支援や動物愛護も含め、地域の福祉がつながる拠点にしていきたい」と話す。
 同サロンは平日午前11時~午後3時。保護猫の一時預かりボランティアを募り、同事業所では入学用品などの制作も請け負っている。TEL079・440・7121

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