全国展開のずんどう屋 躍進の陰に“攻めた”ポスター
2018/11/05 16:37
大阪・心斎橋店オープン時のポスター。寸胴を兜代わりに大阪城へと向かう武将が描かれる(ZUND提供)
「ラー麺ずんどう屋」が、兵庫県姫路市に誕生したのは2002年。十数年で全国38店舗に拡大し、今やニューヨークにも店を持つが、その快進撃のきっかけとなったのは約7年前の大阪進出だという。
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関西の知名度アップを目指し、事業を運営するZUND(同市)は11年、県外第1号店として心斎橋店をオープン。広報担当の北村欣一朗さん(38)は「いよいよ大阪に行く時は盛り上がった」と懐かしむ。当時のポスターを見ると、大阪城へと馬を進める武将の頭には、兜(かぶと)代わりの寸胴が。自慢の豚骨スープを武器に大阪へ攻め入った同店は当初苦戦を強いられるも、粘り強く味を改良し続けることで売り上げを伸ばした。
県外での成功に自信を得た同社は、14年に東京や岡山などに5店舗をオープンさせる。東京初出店時のポスターには、当時大河ドラマの主人公として名を挙げた黒田官兵衛、を思わせる鎧(よろい)兜の武将が再び登場。同年に中国地方第1号となった岡山・倉敷店のポスターには、「いざ、岡山。」の題字とともに、お供を連れた桃太郎が存在感を放つ。
その後15~18年の4年間でニューヨーク店を含む24店舗を広げ、一気に全国区となった同社。躍進の陰には、文字通り“攻めた”デザインのポスターも貢献したことだろう。
思い出話に花を咲かせていると、広告制作に携わった北村さんが我に返ったようにつぶやく。「よう考えたら、桃太郎が岡山に攻め入るのはおかしいですよね」。(井沢泰斗)