デブ猫

マルの物語から 兵庫に広がる輪

2024/05/04 12:00

 創(そう)作(さく)童(どう)話(わ)「かなしきデブ猫(ねこ)ちゃん」は小(しょう)説(せつ)家(か)・早(はや)見(み)和真(かずまさ)さんと絵(え)本(ほん)作(さっ)家(か)かのうかりんさんによって誕(たん)生(じょう)しました。「地(ち)域(いき)で暮(く)らす人々(ひとびと)が誰(だれ)でも知(し)っている物語(ものがたり)を作(つく)りたい」「子(こ)どもたちが、幼(おさな)いころから物語(ものがたり)に親(した)しみ、文(ぶん)化(か)の薫(かお)りが漂(ただよ)うまちづくりのきっかけにしたい」「物語(ものがたり)を通(とお)して他(た)人(にん)の気(き)持(も)ちを想(そう)像(ぞう)できる人(ひと)が育(そだ)つ町(まち)は将(しょう)来(らい)強(つよ)くなる」。こんな二人(ふたり)の思(おも)いに賛(さん)同(どう)し、愛媛(えひめ)新(しん)聞(ぶん)での連(れん)載(さい)終(しゅう)了(りょう)後(ご)の2022年(ねん)4月(がつ)から、神戸(こうべ)新(しん)聞(ぶん)で兵(ひょう)庫(ご)編(へん)を始(はじ)めました。


 第(だい)1シリーズ「マルのはじまりの鐘(かね)」、第(だい)2シリーズ「マルの真(ま)夏(なつ)のプレゼント」に続(つづ)き、兵(ひょう)庫(ご)編(へん)3部(ぶ)作(さく)の最(さい)終(しゅう)章(しょう)である「マルの怪(かい)盗(とう)X(えっくす)を追(お)え!」が11日(にち)からスタートします。


 地(ち)域(いき)で暮(く)らす人々(ひとびと)が誰(だれ)でも知(し)っている物語(ものがたり)にすることは容(よう)易(い)ではありません。この2年(ねん)間(かん)、県(けん)内(ない)の30を超(こ)える市(し)区(く)町(ちょう)に足(あし)を運(はこ)び、祭(まつ)りや学(がっ)校(こう)行(ぎょう)事(じ)などのイベントに参(さん)加(か)しました。


 「兵(ひょう)庫(ご)五(ご)国(こく)」の9会(かい)場(じょう)で挿(さ)し絵(え)や新(しん)聞(ぶん)バッグなどの巡(じゅん)回(かい)展(てん)示(じ)を重(かさ)ね、マルが訪(おとず)れた町(まち)を中(ちゅう)心(しん)にスタンプラリーも実(じっ)施(し)しました。共(きょう)進(しん)牧(ぼく)場(じょう)の協(きょう)力(りょく)を受(う)け、マルをあしらった学(がっ)校(こう)給(きゅう)食(しょく)の「デブ猫(ねこ)牛(ぎゅう)乳(にゅう)」が完(かん)成(せい)。この1年(ねん)間(かん)、18市(し)町(ちょう)17万(まん)人(にん)の子(こ)どもたちがこの牛(ぎゅう)乳(にゅう)を口(くち)にし、認(にん)知(ち)度(ど)を大(おお)きく高(たか)めることができました。


 その一(いっ)歩(ぽ)一(いっ)歩(ぽ)、一人(ひとり)一人(ひとり)の力(ちから)が結(けっ)集(しゅう)した「デブ猫(ねこ)マル」の輪(わ)が、学(がっ)校(こう)現(げん)場(ば)や民(みん)間(かん)企(き)業(ぎょう)、地(じ)場(ば)産(さん)業(ぎょう)に広(ひろ)がりを見(み)せています。


(藤原(ふじわら) 学(まなぶ))


播州織のストール



■地(じ)場(ば)産(さん)業(ぎょう)とコラボ


 「郷(きょう)土(ど)愛(あい)を育(はぐく)む」。これはマルの旅(たび)の大(おお)きなテーマであることから、地(じ)場(ば)産(さん)業(ぎょう)や観(かん)光(こう)協(きょう)会(かい)などとの連(れん)携(けい)も重(じゅう)視(し)してきました。


 マルが神戸(こうべ)に上(じょう)陸(りく)後(ご)、栄(えい)光(こう)教(きょう)会(かい)でもらったストールは播州織(ばんしゅうおり)、手(て)に持(も)っていたのはフランスパンです。兵(ひょう)庫(ご)編(へん)第(だい)2シリーズでは播州織(ばんしゅうおり)作(さっ)家(か)玉木新雌(タマキニイメ)さんをモチーフにしたデザイナーの猫(ねこ)「ニーメさん」が登(とう)場(じょう)。タマキニイメさんとコラボし、読(どく)者(しゃ)にストールをプレゼントするキャンペーンを実(じっ)施(し)しました。「マル×タマキニイメ」のグッズも検(けん)討(とう)中(ちゅう)です。


 日(に)本(ほん)三(さん)大(だい)瓦(かわら)の一(ひと)つで、400年(ねん)以(い)上(じょう)の歴(れき)史(し)がある「淡(あわ)路(じ)瓦(がわら)」の職(しょく)人(にん)興津直子(おきつなおこ)さん=南(みなみ)あわじ市(し)=に、マルの招(まね)き猫(ねこ)とコースターを製(せい)作(さく)してもらいました。


 地(じ)場(ば)産(さん)業(ぎょう)とのコラボ商(しょう)品(ひん)第(だい)1号(ごう)となりました。


淡路瓦の招き猫


淡路瓦のコースター



 招(まね)き猫(ねこ)は高(たか)さ14.5センチ。右(みぎ)手(て)を上(あ)げ、左(ひだり)手(て)にはトレードマークのフランスパンを、頭(あたま)には兵(ひょう)庫(ご)編(へん)第(だい)1シリーズに登(とう)場(じょう)した明石(あかし)タコのハチベエがのっています。コースターは直(ちょっ)径(けい)9.5センチ、厚(あつ)さ7ミリ。通(つう)常(じょう)、淡(あわ)路(じ)瓦(がわら)の表(ひょう)面(めん)は炭(たん)素(そ)膜(まく)で覆(おお)われ水(みず)をはじきますが、コップに付(つ)いた水(すい)滴(てき)を吸(す)うよう、炭(たん)素(そ)膜(まく)をかけずに焼(や)いています。いずれも重(じゅう)厚(こう)感(かん)があり、耐(たい)久(きゅう)性(せい)に優(すぐ)れています。


 興津(おきつ)さんは「一(ひと)つ一(ひと)つ手(て)作(づく)りで、商(しょう)品(ひん)の形(かたち)やマルの表(ひょう)情(じょう)が違(ちが)う。自(じ)分(ぶん)だけのマルを楽(たの)しんでほしい」と話(はな)しています。



■企(き)業(ぎょう)イベントにも登(とう)場(じょう)


 今(こん)春(しゅん)から山(さん)陽(よう)電(でん)気(き)鉄(てつ)道(どう)にマルのヘッドマークをあしらった「デブ猫(ねこ)電(でん)車(しゃ)」が登(とう)場(じょう)し、人(にん)気(き)を集(あつ)めています。5000系(けい)直(ちょく)通(つう)特(とっ)急(きゅう)(阪神大阪梅田(はんしんおおさかうめだ)-山(さん)陽(よう)姫(ひめ)路(じ))と6000系(けい)普(ふ)通(つう)(阪(はん)急(きゅう)・阪(はん)神(しん)神戸(こうべ)三宮(さんのみや)-山(さん)陽(よう)姫(ひめ)路(じ)、飾磨(しかま)-山(さん)陽(よう)網干(あぼし))の車(しゃ)両(りょう)に使(し)用(よう)されています。3月(がつ)下(げ)旬(じゅん)~4月(がつ)上(じょう)旬(じゅん)にはマルと、同(どう)電(でん)鉄(てつ)の公(こう)式(しき)マスコットキャラクター「ろっくん」が、神戸(こうべ)市(し)須(す)磨(ま)区(く)の須(す)磨(ま)浦(うら)公(こう)園(えん)で行(おこな)われたイベント「敦盛桜(あつもりざくら)」を盛(も)り上(あ)げました。


マルのヘッドマークを付けた車両(奥)とマル(手前左)、山陽電鉄公式マスコットの「ろっくん」=明石市内



 2023年(ねん)4月(がつ)から1年(ねん)間(かん)、県(けん)内(ない)18市(し)町(ちょう)約(やく)17万(まん)人(にん)の児(じ)童(どう)生(せい)徒(と)たちが、マルのイラストが掲(けい)載(さい)された共(きょう)進(しん)牧(ぼく)場(じょう)の「共(きょう)進(しん)3.5牛(ぎゅう)乳(にゅう)」を学(がっ)校(こう)給(きゅう)食(しょく)で味(あじ)わいました。24年(ねん)4月(がつ)からは、1リットルパックも発(はつ)売(ばい)され、京(けい)阪(はん)神(しん)エリアの大(おお)手(て)スーパーに並(なら)んでいます。


4月に発売されたマルのイラスト入り「共進3・5牛乳」の1リットルパック



 共(きょう)進(しん)3.5牛(ぎゅう)乳(にゅう)は、県(けん)民(みん)におなじみの「ご当(とう)地(ち)牛(ぎゅう)乳(にゅう)」。1リットルパックでは、学(がっ)校(こう)給(きゅう)食(しょく)と同(おな)じ黄(き)色(いろ)と青(あお)色(いろ)のデザインを採(さい)用(よう)しており、共(きょう)進(しん)牧(ぼく)場(じょう)は「家(か)庭(てい)でもマル牛(ぎゅう)乳(にゅう)を飲(の)んでほしい。県(けん)内(ない)外(がい)にマルの人(にん)気(き)が広(ひろ)がれば」と企(き)画(かく)したといいます。


 ホテル北(きた)野(の)プラザ六(ろっ)甲(こう)荘(そう)(神戸(こうべ)市(し)中(ちゅう)央(おう)区(く))では5月(がつ)末(まつ)まで、マルが旅(たび)した兵(ひょう)庫(ご)五(ご)国(こく)の食(しょく)材(ざい)を使(つか)った「兵(ひょう)庫(ご)五(ご)国(こく)膳(ぜん)」の新(しん)メニューを提(てい)供(きょう)しています。2220円(えん)(税(ぜい)、サービス料(りょう)込(こ)み)で、猫(ねこ)グッズ持(じ)参(さん)で10%オフの特(とく)典(てん)もあります。



■学(がっ)校(こう)の授(じゅ)業(ぎょう)にも活(かつ)用(よう)


児童たちが書いたマルへの手紙や神河町の魅力を伝えるリーフレット



 マルの物語(ものがたり)を授(じゅ)業(ぎょう)に取(と)り入(い)れ、読(よ)み聞(き)かせをしたり、自(じ)分(ぶん)たちが暮(く)らす町(まち)の魅(み)力(りょく)を考(かんが)えたりする学(がっ)校(こう)が増(ふ)えています。


 全(ぜん)校(こう)児(じ)童(どう)10人(にん)の神河町立長谷小学校(かみかわちょうりつはせしょうがっこう)では昨(さく)年(ねん)度(ど)、2、4年(ねん)生(せい)の授(じゅ)業(ぎょう)で毎(まい)週(しゅう)、第(だい)2シリーズ「マルの真(ま)夏(なつ)のプレゼント」の読(よ)み聞(き)かせを実(じっ)施(し)しました。4年(ねん)生(せい)は社(しゃ)会(かい)科(か)の授(じゅ)業(ぎょう)で、兵(ひょう)庫(ご)県(けん)について学(がく)習(しゅう)する素(そ)材(ざい)にこの物語(ものがたり)を使(つか)ったといいます。


 さらに、昨(さく)年(ねん)11月(がつ)にあった学(がく)習(しゅう)発(はっ)表(ぴょう)会(かい)では、「デブ猫(ねこ)ちゃんマルの兵(ひょう)庫(ご)五(ご)国(こく)の旅(たび)、伝(つた)えよう長谷(はせ)のすてき」という演(えん)目(もく)で、児(じ)童(どう)たちは心(こころ)に残(のこ)っているシーンや感(かん)じたことを発(はっ)表(ぴょう)。「マルに地(ち)域(いき)(長谷(はせ))のすてきなとこを教(おし)えたい」と、その魅(み)力(りょく)を伝(つた)えるリーフレットも作(さく)成(せい)しました。


 担(たん)任(にん)の高寄優子先生(たかよせゆうこせんせい)は「児(じ)童(どう)たちは、マルを自(じ)分(ぶん)たちの仲(なか)間(ま)のように思(おも)い、冒(ぼう)険(けん)を一(いっ)緒(しょ)にたどりました」と口(くち)にし、「人(ひと)を見(み)た目(め)で決(き)めつけるのはよくないことや出(で)会(あ)った人(ひと)を大(たい)切(せつ)にすることなど、物語(ものがたり)を通(とお)して多(おお)くのことを感(かん)じていました」と話(はな)しました。


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