マルを故郷の愛媛から旅立たせようと思い立った3年前。真っ先に脳裏をよぎった次なる旅の舞台が兵庫であり、声をかけさせてもらったのが「神戸新聞」さんでした。
それから3シリーズにわたり、マルは兵庫の全市町を回りました。同じように兵庫中の市町を巡りながら、僕たちもたくさんの人の温かさに触れました。兵庫県の顔見知りが、3年前より100人以上増えました。
この3年間は、兵庫が揺れ動いた時期でもありました。その様子を決して部外者としてでなく、当事者として見守りながら、県が二つに分断されていく様子を、悲しい気持ちで見ていました。
子どもたちに見せたい光景だとは思えませんでした。自分とは違うもの。そう排除することの愚かしさもまた『かなしきデブ猫ちゃん』のテーマだったと思っています。
次なる舞台は広島県です。また毎週土曜日に、今度は「中国新聞」さんでマルは旅を続けます。
3年間、本当にありがとうございました。
兵庫がマルを拾ってくれたこと、受け入れてくれたこと、そしてさみしがってくれたことを、僕たちは絶対に忘れません。
みなさまと会えて幸せでした。必ずまた会いましょう。
その日までどうかお元気で。
かのうかりん
早見和真