昨年4~12月に神戸新聞紙上で連載され、今月発売の絵本も大好評の創作童話「かなしきデブ猫ちゃん マルのはじまりの鐘」(文・早見和真、絵・かのうかりん)の続編「マルの真夏のプレゼント」が、いよいよ29日からスタートします。前作の最終回で「もっと広い世界を見てみたい」と兵庫の仲間に別れを告げたマル。次なる冒険の舞台は…またもや兵庫五国!?

第2シーズンのロゴ。マルのプレゼントって何かな? ヒントは絵の中に
吾輩も“ネコ”である。名前は、マル-。おなじみのフレーズで始まる第2シーズンですが、われらが主人公のマル君はなぜか、西宮市のとある家で飼い猫となり、ぬくぬくと暮らしているではありませんか。
「今頃はアメリカあたりを目指して太平洋を航海しているはずでは?」「話が違うじゃないかっ」。お叱りはごもっともですが、これには深いわけがあるのです。
外国行きの船に乗ろうとしていたマルでしたが、ふと立ち寄った公園で、自分によく似た体形の男の子ケンタと出会います。アンナや桜子のように、マルの言葉を理解できるケンタとは、たちまち仲良くなりました。「ボクの家においでよ」。親友との生活は、すこぶる快適でした。

ぬくぬくと飼い猫生活を送っていたマルだったが…
しかし、ケンタにはとても大きな悩みがありました。じつは太っていることを、学校でからかわれていたのです。「ボク、ホントに弱虫でダメなんだ…学校に行きたくない」。涙を流すケンタのため、マルは奮い立ちます。

自分に似た体形の親友ケンタを励ますため、マルは新たな冒険へ!
太っているのが恥ずかしいなんて誰が決めたのか。外見をからかう方がカッコ悪い。自分の頭で考えようよ…。愛媛編を含めたこれまでの「デブ猫ちゃん」シリーズの中でも、よりストレートで力強いメッセージを伝える作品になるでしょう。ぜひ家族や友達と一緒に読み、みんなで語り合うきっかけにしてください。

「マルの真夏のプレゼント」のイメージイラスト。今回も青いストールがキマってるね
第1シーズンでマルは兵庫県内の14市町を訪ねましたが、こんどの冒険ではまだ行ったことのない新しい土地も目指す予定。あなたの街にもマルや仲間たちがやってくるかも? これからも毎週土曜日の新聞でお会いしましょう。
【連載記事一覧へ】