2021/04/17 19:30
畳を降りると、阿部一二三(日体大)の唇が震えた。
上を向いて、涙をこらえていた。
「前に出るしかない、自分の柔道をするしかないという気持ちだけで臨んで。初めは自分のペースだったけれど、決め切れなかったのは自分の弱さ。まだまだだなと。たくさんの試練がある」
【男子日本代表の井上康生監督(左)に励まされる阿部】
2019年夏、東京・日本武道館。
柔道の世界選手権男子66キロ級準決勝で、阿部は延長の末、丸山城志郎(ミキハウス)に技ありを奪われ、敗れた。
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