前例踏襲より自分で考えて/答えでなく問う力を
「あっという間でした」。日本で初めてのアフリカ出身学長として、メディアで紹介されることが多い京都精華大学のウスビ・サコさん(54)は、就任からの約2年半をそう振り返る。学長になったからこそ数々の課題が見えてきたといい、毎日のように驚かされることに出合うと話す。遠い国からやって来たサコさんの発言は常に注目を集めるが、自身の方針は至ってシンプルで、創立68年の同大学が掲げる「自由自治」の理念に立ち返ること。学生のニーズをくみ取りながら、外国籍の教授や留学生、女性の役職を増やすなど、ダイバーシティを重視した改革に取り組む日々だ。「でも適当で、説明できないことがいっぱい」というサコさん。学長室から、日本と日本の若者はどう見えているのだろう。(片岡達美)
残り文字数 2280 文字 記事全文 2628 文字