「おじさん役」向き合った/攻めどころ見極めながら
書店に設けられた宝塚歌劇のコーナーで、ひときわ異彩を放つエッセー本「こう見えて元タカラジェンヌです」(左右社)が大好評だ。著者は花組の元男役、天真みちるさん。宝塚の男役といえば、「究極の理想の男」とされるトップスターに注目が集まりがちだが、どんな分野でも頂点に立てるのはほんの一握り。そんな世界で敗北を抱きしめ、老け顔メークや、あらゆる時代の高齢男性の所作の研究を極め、個性の強い数々のおじさん役を切り開いてきた。抱腹絶倒の話が詰まったエッセー本は思いもよらず、ビジネス書として読み解かれる事態となっているとか。天真さん、脇役としての生き方について教えてください。(長嶺麻子)
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