【写真上】IBFの2位決定戦に敗れ、リングにひざまずいてキスをする野中悠樹=2018年4月26日、後楽園ホール(北田康幸さん提供)
■痛恨の連敗
世界戦にあと一歩のところで届かない。そんな30代を過ごした野中悠樹(43)は一方で、国内で着実に勝利を重ねた。39歳だった2017年9月のランキングでは、主要な世界4団体の全てのランク(15位以内)に名を刻んだ。
何とか、世界の強豪との試合を組めないか。桂伸二トレーナー(50)が祈る思いでフェイスブックに出したオファーに、豪州から返信が届く。相手は、この年の7月まで世界ボクシング機構(WBO)3位だった選手だ。10月、野中は豪州ブリスベンに乗り込んだ。
試合では致命的なパンチをもらわず、落ち着いた戦いぶりを見せる。しかし、ボクシング特有の地元ひいきの判定で、野中が奪ったダウンが単に足が滑っただけの「スリップ」に。結局、ダメージのないまま、0-3の判定で敗れた。
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