日本人の労働力不足を補い、国内の生産活動を実質的に支えている外国人技能実習制度。近年、過酷な労働環境に耐えかね、職場から失踪する外国人実習生が後を絶たない。失踪する実習生は昨年1年間で7千人超。今年に入って、さらに増えつつあるという。インドネシア出身の技能実習生、アフマッドさん(26)が東北地方の住宅メーカー工場から逃げた理由を聞いた。
■友人から誘われて
インドネシアの東ジャワ・トレンガレックで生まれ育ったアフマッドさん。高校を卒業してから、実家の農業を手伝いながら自動車整備の専門学校に通った。学生の頃から軽トラックを乗りこなし、運転が好きだった。インドネシアで自動車の仕事を探したが、なかなか見つからず。屋台のコーヒー店でバイトをしながら職を探した。
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