尼崎連続変死 角田三枝子被告ら3人、神戸地裁で裁判員裁判
2015/05/13 08:47
尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義妹、角田三枝子被告(62)ら3人の裁判員裁判が、13日から神戸地裁で始まる。3人は2005~11年の5事件でそれぞれ九つの罪に問われ、弁護側は一部を除き、無罪主張するなど起訴内容を争うとみられる。裁判員の任期は制度開始の09年以降で最長の140日間。
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ほかの2人は美代子元被告の内縁の夫、鄭(てい)頼太郎被告(65)と元被告の養子で長男の角田健太郎被告(33)。七つの罪に問われた次男、角田優太郎受刑者(28)=懲役17年が確定=らこれまで判決が出た親族2人の裁判では、全ての罪で元被告らとの共謀が認定されているが、3被告の関与はより薄いとみられており、検察側、弁護側双方の立証方法が注目される。
これまでの裁判で証言した親族らによると、3人は同居者の中でも元被告が優太郎受刑者とともに特に優遇したメンバー。中でも幼少期から行動をともにしていた三枝子被告は、元被告が全幅の信頼を寄せていたという。
三枝子被告は19歳のころから元被告と同居し、長年元被告のために水商売で生活費を稼いだ。優太郎受刑者を身ごもると「自分の子にする」という元被告の要求を断れず、元被告になりすまして出産。45歳の時には元被告の母親と養子縁組させられたという。優太郎受刑者の公判では「美代子からは一生離れられない」という苦悩で一時は自殺や元被告の殺害も考えたと明かした。
「五十数年美代子に人生をささげ、一言も悪口を言わなかった。三枝子だけはかわいそうに思う部分もある」。別の親族の公判で検察側が読み上げた遺族の一人の供述調書にはそんな一節もあった。2012年に「尼崎の民家下に複数の遺体が埋められている」と一連の事件を自供したのも三枝子被告だったとされる。