建設関連株 為替や人材不足がリスク
2017/02/01 11:15
神戸新聞NEXT
今回は建設関連のセクターをみましょう。建設関連というと、まずは鹿島や大成建設といったスーパーゼネコンと呼ばれる企業を思いつく人が多いと思います。建設関連セクターは企業数が多いのが特徴です。
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大手、中堅という規模の違いから海洋に特化した企業、道路や橋の建設といった専門性を持った企業もあります。大都市ではなく地方に拠点を置く企業もあります。建設不況といわれる時期を乗り越え、業界は再編が進み、社名が変わった企業もいくつかあります。
建設関連の投資というと、すぐに連想されるのは2020年の東京五輪でしょうか。競技場などの新設や改築に伴う利益の増加などが期待されています。東京五輪開催決定後は、業績期待から建設関連株は上昇しましたが、現在は「東京五輪はもう株価に織り込まれた」とみている市場関係者も多いようです。
とはいえ、中長期的には各地の再開発や老朽化した道路といったインフラの更新は増える傾向にあるほか、リニア中央新幹線関連の建設工事は最大の追い風になるとみられています。一部の大手企業は海外進出にも積極的で成長著しいアジアやアフリカの公共事業などを取り込み、道路や施設の建設を進めています。
大きなイベントがあるたびに建設需要が増えるのは株価には好材料ですが、為替の動向で建設資材などの輸入価格に大きな変動があったり、政府の公共工事に対する方針の変化などに左右されたりすることも多いようです。海外で積極展開している企業には想定外の特別損失を出したり、国内では談合などで指名停止を受けたりする危険性もあります。
建設株は比較的、株価が安く、買いやすいという側面はあります。ただ業界内の競争は激しく、独自性を打ち出すことが難しいことや、最近では人件費の高騰や人材不足による工事の進行の遅れなどが嫌気されることもあるようです。