上場廃止 基準を満たせず退場
2018/02/28 11:00
神戸新聞NEXT
株式を証券取引所に上場するには、各取引所が決めた審査基準を満たさなければなりません。投資家が安心して取引できるように決められているため、基準を満たせない株式は上場廃止となり、取引所からの退場を命じられます。
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上場廃止 株主数、株式数基準に抵触
上場廃止と聞くと、会社の倒産や経営問題が生じた結果起きるものと思うかもしれません。もちろん、そのようなケースもありますが、最近は会社の再編によるものが大半です。2017年に東京証券取引所で上場廃止になった株式銘柄の廃止理由で最も多かったのは、完全子会社化でした。
取引所は、上場廃止の基準に抵触しそうな銘柄があったり、会社が自ら上場廃止の申請をしたりすると、その銘柄を「監理銘柄」に指定します。投資家に上場廃止になる可能性があることを注意喚起するためです。
その上で、時価総額や株主数などの基準を満たしているかを確認したり、有価証券報告書の虚偽記載など、形式的には分からないものについては審査をしたりします。
確認、審査の結果、問題がなければ指定は解除されますが、基準を満たしていないことが分かれば上場廃止が決まり、「整理銘柄」に指定されます。原則1カ月後に廃止になりますが、それまでは通常通り売買することができます。
上場廃止後の株式の価値などは、廃止となった理由や状況によって異なります。例えば、西武鉄道は04年に虚偽記載で上場廃止となりましたが、株式の価値や株主の権利は残りました。14年に西武ホールディングスとして再上場するときには、株式の価値や株主の権利は引き継がれました。
一方、10年に破綻して上場廃止となった日本航空の場合は、廃止と同時に株式の価値はなくなりました。企業再生支援機構の支援を受けて、事業は継続されましたが、12年に再上場した時には、新しい株式として売り出されたため、株主の権利なども引き継がれませんでした。