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もの知り投資学

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 企業が、証券取引所での自社株式の売買を認めてもらうためには守らなければいけない決まりがあります。ルールがあるからこそ、安心して投資できるのです。だから、守らない企業は株式市場から退場を迫られます。これが上場廃止です。

 例えば東京証券取引所は株主数、流通している株式数、時価総額などに基準(上場廃止基準)を設けており、抵触するとその銘柄を上場廃止にします。項目によっては、猶予期間が設けられています。

 この基準に触れた場合や会社自らの意向を受けて上場廃止になる恐れが生じると、取引所は投資家に広く知らせるため「監理銘柄」に指定して、そのことを発表するとともに、審査や状況の確認をします。監理銘柄になっても必ず上場廃止になるわけではありません。

 上場廃止が決まると今度は「整理銘柄」に指定され、その後、原則として1カ月が経過すると上場廃止になります。買いたいという人は通常減りますが、監理銘柄も整理銘柄も、市場で売買することができます。

 上場廃止と聞くと、株が紙くず同然の価値しかなくなるイメージを持つかもしれません。無価値になる場合がある一方、そうならないケースもあります。

 2010年に日本航空が経営破綻した際は株の価値がなくなりました。日航は12年秋に東証に再上場しましたが、破綻時の株主には、何の権利も与えられませんでした。このように、会社が破綻してしまうと価値がほぼゼロになります。

 でも、例えば流通する株の数が基準に届かなかったり、粉飾決算などの違法行為があったりして上場廃止になった場合でも企業が生き延びることもあり、株が無価値になるとは限らないのです。

 株主であることにかわりはないので株主としての権利も行使できます。ただ、上場廃止になった銘柄は一般的に証券会社が取り扱いません。このため買い手を自分で見つける必要があり、売買は極めて困難となります。

2014/4/16
 

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