王位戦第3局前に記者会見 両対局者の一問一答
2020/08/03 21:10
対局室を検分する木村一基王位(右)と藤井聡太棋聖=3日午後、神戸・有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」(撮影・後藤亮平)
木村一基王位(47)がベテランの意地を見せるか、初タイトル獲得の勢いで藤井聡太棋聖(18)が連勝を3に伸ばすか。注目の将棋の第61期王位戦7番勝負(神戸新聞社主催)の第3局を前に、両対局者が記者会見で意気込みを語った。
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■木村王位
-前回対局から3週間あいた。
「2局目は悔しい逆転負けを喫したが、しっかり切り替えてきた。幸い、この間に他の棋士との対局があり気分を変えられた。連敗はしたが、いい面が出せたところもある。前向きにいきたい」
-17歳11カ月で最年少タイトルを獲得した藤井棋聖の印象は。
「大変な偉業だと思う。周囲はいつか取るだろうと思っていたようだが、私もその1人。これまで2回対局したが、よく考える棋士と感じた。その分、ミスも少ない」
-挽回への対策は。
「将棋はちょっとした積み重ねが大事だと痛感している。一気に2勝、3勝挽回できるわけではないので、まずは明日、しっかり指したい。温泉は好きで、有馬は関東にはない独特の湯が楽しみ。今夜も入って、リラックスしたい」
■藤井棋聖
-初タイトルの棋聖獲得後の第3局になる。
「少し落ち着いたが、自分としては、これまでと変わらない姿勢で臨みたい。(王位戦の)第2局からしばらく時間があいたので、第3局に向けての準備もしっかりでき、いい状態で迎えられた」
-木村王位の印象は。
「これまでの2回の対局で、こちらの気付かない力強い攻撃をされる場面が多かった。こちらも第3局以降、その辺りを勉強して戦いたい」
-これまでの対局を振り返って。
「2日続けての対局で、体力面を含めいい経験をさせてもらっている。成果もつかめてきたところ。(棋聖戦など)合間にも貴重な対局を経験し、接戦もあった。今回はそれを生かしたい」
-有馬温泉での対局は初めて。
「子どものころに来たことがあるが、あまり記憶にない。対局中に温泉に入れるのは、これまでにはなかったので楽しみにしている。また神戸は谷川浩司先生の地元。いい印象がある。温泉でリラックスし、集中力を高めて明日からの対局に臨みたい」(津谷治英)