(7)伝統校の地獄とロマンス 神戸市灘区城の下通1

2018/06/23 17:45

市バス2系統「神戸高校前」付近から、同校正門へ 阪急王子公園駅から続く長い坂道。その最終盤が「地獄坂」(撮影・辰巳直之)

■最高勾配 13.2% 市バス2系統「神戸高校前」付近から、同校正門へ 関連ニュース 王位戦第3局2日目、午前のおやつは…なしとあり 王位戦第3局2日目始まる 木村王位の封じ手は「2三歩」 「封じます」1日目終了 対局中は温泉街で配慮も

 ノーベル文学賞の候補に挙がる村上春樹さんもかつて、息を切らして上っただろう。それが、神戸高校の正門へ続く「地獄坂」だ。
 日々の登下校だけでも足腰が鍛えられる急坂。運動系の部活動にとっては格好のトレーニング場となる。汗と涙が染みついた記憶はいつまでも薄れない。
 数度の全国大会出場を誇るラグビー部のOBは「上級生に何本、走らされたかなあ」。テニス部のOGは「寝転がってクルクル回って下りられないかと、いつも思っていた」と本紙にメールを寄せてくれた。
 同校元教諭の永田實さん(71)によると、阪急王子公園駅から続く長い坂を地獄坂と呼ぶ説もあったが、今では学校南のバス停付近からが一般的。ちなみに、地獄坂の東には勾配が緩い「ロマンス坂」もある。
 坂に「地獄」と「ロマンス」。伝統校の重みを感じさせる、何とも哲学的な響きだ。
(上田勇紀)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ