山崎エリナさん ( )
写真家/東京都渋谷区
山崎エリナさん ( )
写真家/東京都渋谷区
大好きな写真を撮って生きていきたい。そう思ったのは震災を経験したからです。
あの日に限って私と母は居間のこたつで寝ていました。それが幸いしました。神戸市兵庫区のマンションは全壊。自分の部屋は、テレビやたんすが倒れて、もうグチャグチャ。いつも通りに寝ていたらどうなっていたか。これは、もらった命。悔いのない生き方をしようと決めたんです。
その年の9月、服飾専門学校を辞めてフランスへ。写真家になる夢を追い始めました。働きながら中東など30カ国で街角や子どもの写真を撮りました。
帰国して初の個展を神戸・六甲アイランドで開いたのは2001年。それからポツポツ仕事がもらえるようになり、06年には震災と復興をテーマに写真集を作る企画をいただきました。写真と一緒に載るのは、震災遺族らの言葉。ページをめくるたびいろんな思いがあふれ出て、プロとして責任ある仕事をしなければならない、とあらためて思いました。
今も、声が掛かれば料理でも何でも撮ります。おかげでダイオウイカ撮影プロジェクトに呼ばれ、世紀の現場に立ち会えました。人生も写真も挑戦。震災の日の気持ちは忘れません。(三浦拓也)
神戸市東灘区向洋町中9