手作りの誇り 失わず
まちの記憶 ペンで刻む

青山大介さん (38)
鳥瞰図絵師/神戸市西区

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手作りの誇り 失わず
まちの記憶 ペンで刻む

青山大介さん (38)
鳥瞰図絵師/神戸市西区

 この鳥瞰図(ちょうかんず)は私の代表作です。神戸市内3カ所にある津波避難情報板にも使われています。ビルの窓1枚まで私が手書きしました。
 絵図には「あの日を忘れない」との思いを込めています。市役所横の花時計が指すのは5時46分。東遊園地内の「1・17希望の灯(あか)り」や「慰霊と復興のモニュメント」の前には、祈りに来た人たちも描いています。
 鳥瞰図に出合ったのは高校生の時。都市鳥瞰図の第一人者、故石原正さんの作品に感銘を受けました。卒業後、会社勤めの傍ら見よう見まねで始め、2006年から本格的に取り組んでいます。
 昨年末、神戸市から情報板の製作依頼があった時、生半可な気持ちではできないなとペンを握りました。私自身、長田・鷹取商店街にあった実家が全壊。避難所生活を経験した一人として、この街に貢献したいという思いがずっとあったんです。3年半がかりで11年に完成させていた絵図に、その後に建てられた高層建築などを一つずつ書き足していきました。
 作図のためには、ヘリをチャーターして空撮し、路地を歩いて細かいところまで観察します。いずれは復興した故郷・鷹取東地区を手掛け、ペンでまちの記憶を刻んでいけたらと思います。(中西大二)


2014年11月18日掲載
写真撮影場所:

神戸市中央区、「神戸波止場町TEN×TEN」