根差す 東北の大地に
今、自分にできることを

佐藤亜矢子さん (47)
地域防災リーダー/仙台市泉区

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根差す 東北の大地に
今、自分にできることを

佐藤亜矢子さん (47)
地域防災リーダー/仙台市泉区

 東日本大震災の時は、PTA会長として仙台市の小学校にいました。避難所の体育館には、150人ほどいたでしょうか。学校と町内会の仲立ちをしつつ、家から灯油を運んだり、備品のビニール袋ややかんで「あれもできる、これにも使える」って工夫したり。
 その後、防災リーダーに。避難所運営マニュアルの作成や非常食の調理実習などを企画しています。
 原動力は、阪神・淡路大震災です。母校の甲南大学に勤めていたこともあり、神戸は縁の深い町。当時、大阪の実家にいた私は臨月で何もできず、無力感が残りましたね。でも、その年に移り住んだ福島県でボランティアに関わるうち、「その時に自分ができることをやればいい」と考えられるようになりました。
 夫が転勤族でいろんな土地で暮らしていますが、東日本の後、「ここに根っこを下ろして生きていこう」って初めて思えたんです。東北の人たちは私と違っておとなしいけれど、懐に入れば絆は強い。だからこそ、日ごろの近所付き合いが防災につながるのでは。
 今月、仙台である国連防災世界会議では、被災児童の支援イベントを手伝います。今年成人した娘も、通訳として参加するんですよ。大げさな使命感はないけど、この地でやっていきたい。今、自分にできることを。
(聞き手・風斗雅博、写真・三浦拓也)


2015年3月 7日掲載
写真撮影場所:

仙台市泉区高森7