明石公園の遊覧ボートが値上げ 3月から一律900円に 15年ぶり、維持費など上昇で
2022/02/19 05:30
剛ノ池を遊覧するボート。3月から900円に値上げされる=明石市明石公園(県園芸・公園協会提供)
明石公園(兵庫県明石市)の剛ノ池で営業している遊覧ボートの利用料金が、3月5日から一律900円に値上げされる。消費税増税分の上乗せを除いて料金改定は15年ぶり。運営する県園芸・公園協会によると、維持費などの物価上昇に合わせるのが理由という。現行から45%の大幅値上げに利用者からは残念がる声が上がる一方、営業の継続に向け、好意的に受け止める向きもある。
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同協会によると、ボートの営業は1986年に始まった。手こぎボートと足こぎボート(3人乗り、6人乗り)の3種類あり、現在の料金は一律620円。来月5日からは、280円値上げして900円となる。
ボートの分類やボートごとに設定された利用時間が現在の形になったのが2007年。料金は600円に統一され、14年の消費税増税で620円に上がったが、この15年間は実質的な料金改定をしていなかった。
同協会によると、1艇ごとに年数回必要な維持管理費用などが、物価の上昇とともに年々上昇。価格を維持しようと努力してきたが、「サービス水準を確保するには値上げせざるを得なかった」としている。
ホームページで料金値上げを告知したところ、値上げ幅への不満や驚きの声が上がる一方、好意的な反応も寄せられているという。
公園を訪れた人の声も賛否が相半ばしている。手こぎボートで花見をするのを楽しみにしている明石市の会社員男性(52)は「手軽に行楽気分が味わえるので利用してきた。これからは財布と相談しなければ」と残念がる。
他方、市内の自営業男性(60)は「10年近く価格が変わっていなかったのは驚き。仕方のない判断」。小学生の娘と来園した近くの主婦(30)は「安い方がありがたいけど、無理をして廃業になるよりいい」と話した。(有冨晴貴)