サックス演奏400回、高齢者らに心こめて届ける 明石の80歳男性「500回目指す」
2022/03/23 05:30
400回目のコンサートでサックス演奏を披露する平山賢次さん=明石市二見町東二見
高齢者施設などでサックスのボランティア演奏を続けてきた兵庫県明石市の平山賢次さん(80)が20日、同市二見町東二見のふれあいプラザあかし西で400回目のコンサートを開いた。心がこもった音色と軽妙なトーク、寸劇で約50人を楽しませ、笑いあり涙ありの1時間となった。
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66歳のとき、市立高齢者大学校あかねが丘学園の音楽コースでサックスを始めた。吹奏楽部だった娘の楽器が自宅にあり、会社員時代にジャズクラブに通った憧れもあったという。ボランティア演奏は2010年8月から。月1回ペースで始めると口コミで評判が広がり、頻度が増えていった。
400回目は二胡(にこ)をひく同学園同級生の満藤典子さん(73)と、唱歌「ふるさと」のほか、クラシックやポップスの名曲を次々と披露した。合間には一昨年7月に63歳で亡くなった女性初の学園長を務めた福田ひとみさんをしのび寸劇も。天国の福田さんから衛星電話がかかってきた設定で、新型コロナウイルスのため卒業式ができなかった37回生向けに、平山さんが手づくりの証書を授与した。
代表で受けた原薫二さん(72)は「正式な証書の隣に飾ります」と感激した様子。福田さんの夫で市理事の成男さん(68)も見守り「パワフルだった妻も絶対喜んでいます」と涙ぐんだ。
平山さんは「300回達成から3年半。大きな節目に、心残りだった福田学園長への感謝と同窓生への祝福を伝えられて良かった。みんなが満足してくれたのが一番の喜び。命ある限り、まずは500回を目指します」と晴れやかに語った。(松本寿美子)