淡路生まれのコウノトリ、血液分析で「雌」と判明 6月上旬にも巣立ち

2021/05/26 05:30

雌だと分かったコウノトリのひな(右)。母鳥の横で羽ばたく動作を見せる=24日午前、淡路市内

 兵庫県淡路市内で誕生した国の天然記念物コウノトリのひなが雌であることが25日、分かった。血液などを調べた県立コウノトリの郷公園(豊岡市)が淡路市に報告した。ひなはすくすくと育ち、親鳥とさほど変わらない大きさ。6月上旬に巣立つ見通しという。(内田世紀) 関連ニュース 【動画】コウノトリのひな、淡路島ですくすく 兵庫で初めて但馬地域以外でふ化 コウノトリ 淡路でふ化 但馬地域以外では県内初【動画】 淡路市で誕生、コウノトリのひなに足環 郷公園職員が成育確認

 ひなは4月初め、電柱の上に作られた巣で誕生した。今月14日、野生のコウノトリを増やす事業を進める同公園の職員が、個体識別のための足環を装着。雌雄や健康状態を調べるため、血液と羽毛を採取して持ち帰った。
 雌雄の判定は血液中の遺伝子を分析して行った。内臓の働きを示す数値などに異常はなく、健康状態に問題はみられなかった。14日時点の体重は3・1キロで、雌としては標準的という。
 ひなは、親鳥が運ぶ餌を1日約1キロ食べる。今では翼の羽根も徐々に生えそろい、時折羽ばたくような動作を見せている。同公園によると、間もなくジャンプをするなど巣立ちに向けた練習を始める。巣立ったひなはしばらくの間、親鳥と過ごすことが多いという。
 淡路市が行ったひなの愛称募集には、215作品の応募があった。市は「地元住民らでふさわしい名前を選考し、6月中旬に決定したい」とする。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ