心の復興、花で支援 宮城・南三陸町にオリジナルサクラ寄贈 西宮市とLC
2021/03/21 05:30
西宮市のオリジナルサクラを紹介する樹名板=西宮市鳴尾浜2
バイオテクノロジーで育てられた兵庫県西宮市のオリジナルサクラ「西宮権現平桜」と「夙川舞桜」計27本が15日、東日本大震災で被災した宮城県南三陸町へ向けて出発した。同市内のライオンズクラブ(LC)と同市が協力して東日本大震災の被災地へ花を贈る事業の一環。5月に同町で記念植樹式が開かれる。
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権現平桜は水上勉氏の小説「桜守」のモデルにもなった故・笹部新太郎氏が「日本一の山桜」と絶賛した種子に由来する。市植物生産研究センターは笹部氏と親交があった西宮市民から苗を譲り受けて増殖させている。
一方、夙川舞桜は西宮市雲井町で自然交雑により誕生し、99年に花の色や形などがほかにはないと確認され、同センターでオリジナル品種として育てている。
同事業は「花と緑による心の支援を」と2012年度に始まった。12年は阪神・淡路大震災が起きた95年に誕生した同市オリジナル植物「ゆめむらさき」の寄せ植え計100基を宮城県女川町と南三陸町へ贈った。17年には市のオリジナルサクラ計23本を女川町へ届け、今回の南三陸町への贈呈をもって事業を終える。
15日には植物生産研究センター花工房(同市鳴尾浜2)で発送式が開かれた。北田正広副市長は17年に両町を訪れたときのことを振り返り「(サクラが)現地の公園に根付いていてほっとした」と話し、21年度も市から職員を派遣する予定だとし「末永く応援していきたい」と述べた。
西宮戎LCの上田和弘さん(65)は「市民の寄付や市の協力があって続けることができた。無事事業が終えられほっとした」と話した。
贈ったサクラは16日に現地へ到着。南三陸町震災復興記念公園に西宮権現平桜を、同町の松原公園に夙川舞桜を植える予定。(中川 恵)