阪神間の路線価、コロナ禍でも上昇傾向 利便性高く根強い人気

2021/07/02 05:30

コロナ禍ながら変動率が県内2位だったJR芦屋駅前=芦屋市船戸町

 国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2021年の路線価(1月1日時点)を発表した。兵庫県阪神間の4税務署管内では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で市場が一時低迷したため、上昇率は下がったものの県内でも珍しく上昇傾向を保った。特に阪神間の駅前は利便性の高さから根強い人気があるという。 関連ニュース 県内路線価3年連続下落、下げ幅は縮小 神戸・三宮は5・8%減 県内路線価2年連続で下落 コロナ影響、神戸・三宮は8年ぶり 県内路線価2年ぶり下落 阪神間の再開発エリア2桁上昇


 4税務署管内の最高路線価は、1平方メートル当たりの価格順に、JR芦屋駅前=87万円(県内3位、前年比3・6%増)▽阪急西宮北口駅南側=72万円(同4位、同1・4%増)▽JR尼崎駅前=57万円(同5位、前年比横ばい)▽阪急川西能勢口駅前=52万円(同7位、前年比4%増)。
 県内の変動率順位を見ると、阪急川西能勢口駅前の増加率4%が1位、JR芦屋駅前の同3・6%が2位、阪急西宮北口駅南側の同1・4%が3位、横ばいのJR尼崎駅前が4位と続いた。これらの地点は駅前のマンション用地として高値で取引されがちという。コロナ禍で昨春から昨夏にかけて市場が低迷したものの、インバウンド(訪日外国人客)減少などの影響を受けにくく、堅調を保ったとみられる。
 県内3位の価格を維持したJR芦屋駅前は、駅南再開発の期待感もあり昨年は上昇率が2桁に跳ね上がっていたが、今回は3・6%に縮小した。不動産鑑定士の小杉正樹さんは「コロナの影響もあるだろうが、再開発の中断が上昇率の緩和を招いているだろう」と分析した。(中川 恵)

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