新酒の季節告げる「酒林」、今年はなんだかロン毛… 白鹿記念博物館

2022/10/26 05:30

新しく付け替えられたフサフサの酒林=白鹿記念酒造博物館

 新酒の搾り始めを告げる「酒林(さかばやし)」が、灘五郷の一つ、西宮郷にある「白鹿記念酒造博物館」(兵庫県西宮市鞍掛町)の玄関先に付け替えられた。酒林といえば、北海道・阿寒湖のマリモに似て苔(こけ)むしたような見た目が印象的だが、なんだかフサフサして長髪っぽい…。 関連ニュース 【写真】表面を刈り込んだ一般的な酒林 【写真】100キロの酒林新調 辰馬本家酒造 強い甘み、三田特産「くり南瓜」をスイーツに 飲食10店でフェア


 酒林は、丸い竹籠に杉の葉を細かく差し込んで球体に整える。緑から茶への色の変化が、酒の熟成度を表すとされる。
 記念館につるされたのは、直径約80センチ、重さ約80キロ。老舗の酒蔵会社「辰馬本家酒造」(同市建石町)の社員2人が、同県丹波市山南町からトラック1台分の杉の葉を調達して仕上げた。
 通常は球状にするために表面を短髪っぽく刈り込むことが多いが、今回は長い葉を垂らしてまとめることで丸みを表現した。少なくとも辰馬本家ではここ15年で初の取り組みという。
 同社は「白鹿」ブランドを全国展開する。酒林を作った製造本部醸造部の阿部大輔さん(40)は「杉の葉が崩れないように気を付けた。今年の新酒はすっきりとした味わいになった」と手応えを話した。(浮田志保)

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