30年かけ戦艦「大和」の模型完成 全長2・6メートル、乗組員の姿まで緻密に再現 姫路の男性
2022/01/10 05:30
梅澤雅房さんが緻密に再現した戦艦大和の模型=姫路市
幼い頃からプラモデル作りに熱中した兵庫県姫路市の梅澤雅房(まさふさ)さん(65)が、旧日本海軍最大の戦艦「大和」の模型を約30年かけて完成させた。全長は約2・6メートルあり、実物の100分の1の大きさ。乗組員の姿まで緻密に再現し、沈没前の勇姿をよみがえらせた。「平和の尊さを感じてほしい」と願い、加西市鶉野(うずらの)町の鶉野飛行場資料館に寄贈する。
関連ニュース
【写真】30年かけ戦艦「大和」の模型完成 全長2・6メートル、乗組員の姿まで緻密に再現 姫路の男性
戦闘機の紫電改“搭乗”できます 操縦席をリアルに再現
紫電改で実戦「日本一の戦闘機。ただ悲しみがこびりついておる」94歳男性
大和は1941年12月、太平洋戦争の開戦直後に就役。45年4月、東シナ海で米軍の攻撃を受けて沈没し、約3千人が死亡した。
梅澤さんは幼少時からプラモデルが好きだった。既製品では飽き足らず、部品まで手作りするようになった。大和のほか、ゼロ戦や国史跡の竹田城跡(朝来市)など、さまざまな模型を作っている。
船への憧れは強く、「作るなら大和を」と制作に取り掛かった。図面や雑誌の情報を基に、砲塔や艦載機射出機(カタパルト)などをこつこつと作り続けた。
梅澤さんによると、大和のプラモデルは通常、実物の200分の1までで自身の模型は倍の大きさ。日焼けした甲板などで就航以来、南洋を航海した痕跡を表した。部品は全て手製。甲板は約2500本もの細い木の棒を貼り付けて再現し、窓の中の換気扇など細部までこだわり抜いた。
「完成した大和を見てもらい、3千人が戦場で命を失った悲惨な歴史に思いをはせてほしい」と梅澤さん。寄贈した後、鶉野飛行場資料館で来春にも展示される予定だ。(安藤真子)