菜の花畑に巨大文字 東洋大姫路ナインが描いた「照于一隅」見頃に 姫路

2022/02/20 21:15

ドローンで撮影した菜の花畑の巨大文字=姫路市夢前町玉田(実行委提供)

 選抜高校野球大会に出場する東洋大付属姫路高(兵庫県姫路市書写)の野球部員らが、書写山麓の菜の花畑に描いた「照于一隅(しょうういちぐう)」の巨大文字が見頃を迎えている。円教寺の前住職、大樹孝啓天台座主(ざす)(97)が揮毫(きごう)した最澄の言葉で、社会の隅々で努力する尊さを伝える。企画した住民らは「何事にも素直で一生懸命な部員たち。甲子園で活躍できるはず」と期待している。(森下陽介) 関連ニュース 東洋大姫路、センバツ出場決定 14年ぶり8度目 東洋大姫路、14年ぶりセンバツへ 野球部1期生「過去最高のベスト4ぜひ超えて」 OBら祝福の声 イチローさん熱投 女子高校選抜と強化試合 先発17奪三振


 1文字は約30メートル四方。約7・5ヘクタールの畑で、文字の部分だけ刈り取る作業を、昨年11月に部員約55人が手伝った。地元住民らの「夢前ゆめ街道づくり実行委員会」が2020年に始めた企画だ。畑は初夏から水田になり、収穫された米を入寮中の部員が食べている。
 作業日は土砂降りの雨に見舞われた時間もあったが、ジャージー姿の球児らは、ぬかるんだ地面を苦にせず、練習で鍛えた足腰の強さを発揮した。ロープで文字の輪郭を囲い、内側を刈り取って石灰をまき、半日がかりで完成させた。
 実行委は、一面に菜の花が咲き誇る畑を観光スポットとして売り出し中。姫路城マラソンのコース沿いにあり、ランナーへのおもてなしとして栽培が始まったが、新型コロナウイルスの影響でマラソンは3年連続で開催できなくなった。
 球児らと一緒に菜の花を刈り取った同委員会の衣笠愛之(よしゆき)委員長(60)は「指示を出しても素直に吸収して、てきぱきと作業してくれた。互いに声を掛けながら一丸となって取り組む姿に感心した」と話した。

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