お待たせ春の味覚 タケノコの出荷開始 収穫量、今年は異例の少なさ 姫路・太市

2022/03/19 05:30

竹林でタケノコを掘り出す地元農家。例年より成長が遅れている=姫路市西脇

 タケノコの産地として知られる兵庫県姫路市西部の太市(おおいち)地区で、出荷作業が始まった。ただ今年は例年に比べて成長がかなり遅れ、初日となった13日の集荷量は例年の1割ほどの46キロにとどまった。成長が遅い理由ははっきり分からないが、地元農家らは今後の順調な生育に期待を寄せている。(大山伸一郎) 関連ニュース 牧場に…思わぬ高級食材 国産の新種トリュフ発見 故三浦春馬さん子役時代の出演映画「森の学校」の桜、伝染病に 治療後に姿が変わる恐れ 物産売り場の広さ2倍に 道の駅「丹波おばあちゃんの里」 26日リニューアルオープン


 太市のタケノコは江戸末期の嘉永年間(1848~54年)に植えられたモウソウチクが始まりとされ、現在は太市筍(たけのこ)組合(篠本忠美組合長)所属の組合員255人が、約53ヘクタールの竹林を手入れしながら、毎年100トン超を出荷する。3月中の収穫量は少ないが、例年の初日は400キロほど。今年は異例の少なさだ。
 成長には前年夏の降水量と気温などが影響するといわれる。ただ気象庁によると、姫路市内の昨年7、8月の降水量は455ミリと平年値の289ミリを大幅に超えており、気温は厳しい冷え込みとなった1、2月以外は平年並みの気温を記録するなど、出遅れの原因ははっきりしない。
 市場では出荷の早い九州産が品薄となるなど、全国的にもタケノコの生育が遅れているという。太市では組合員が早朝から竹林に入り、隠れた膨らみを見つけて「トンガ」と呼ぶ専用のくわで掘り返しているが、収穫の最盛期は4月上-中旬になりそうだ。
 「初日にこれほど少なかったのは記憶にもないが…最盛期は必ず来るので、しっかり掘り出して旬の味を届けたい」と篠本組合長。同組合では今後、朝掘りタケノコのほか、水煮などの加工品も直売所などで販売する。太市筍組合TEL079・269・0034

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