けんか祭り準備本格化 みこし修繕へ「鑿入れ祭」 松原八幡神社で3年ぶり

2022/09/05 05:30

3年ぶりに蔵から運び出されるみこし=姫路市白浜町、松原八幡神社

 播磨の祭りの季節が近づいてきた。新型コロナウイルスの「第7波」が続く中で、各神社の氏子らが開催の是非に頭を悩ませている。「灘のけんか祭り」で知られる松原八幡神社(兵庫県姫路市白浜町)では3年ぶりの通常開催を念頭に4日、「鑿(のみ)入れ祭」があった。前回の祭りで壊れたみこしの修繕を始める神事で、マスク姿の氏子らが祭りの成功を祈願した。(山本 晃) 関連ニュース 【動画】灘のけんか祭り宵宮 勇壮に屋台練り 姫路 勇壮「けんか祭り」と響き合うこぶし 東京の歌手みやま健二さん、演歌「灘のおとこ節」発売へ 「妻鹿」の由来「つがいの鹿が逃げた先…」ではない? 地元の通説に一石、秀吉の怒りが背景か


 灘のけんか祭りは曜日にかかわらず毎年10月14、15日に開かれ、7地区の勇壮な屋台練りや3基のみこしを激しくぶつけあう「神輿(みこし)合わせ」が見どころ。新型コロナ禍で一昨年と昨年は原則神事のみだったが、今年は屋台練りや神輿合わせの開催を準備している。緊急事態宣言の再発令など事情が変われば方針を再検討する。
 けんか祭りでは、3基が激しくぶつかるほど神意にかなうとされ、みこしの屋根に穴が開いたり、装飾が外れたりする。祭典運営を担う「年番」の地区は、前年に壊れたみこしを、例年この時期に修繕することになっている。
 今年の年番は八家地区で、神事には地区の約150人が集まった。7地区にはそれぞれシンボルカラーがあり、八家のオレンジ色の鉢巻きを締めた男たちが境内の蔵の扉を開け、みこし3基を拝殿に運び込んだ。
 みこしは高さ約2メートル、重さは300キロ以上とされる。屋根に降り積もったほこりを払い、氏子らは神妙な面持ちで祝詞に聞き入った。八家地区総代の松本孝宣さん(63)は「3年ぶりにこの日を迎えることができ、まずはほっとした」と話した。
 灘の7地区では、この日を境に祭りの準備が本格化する。みこしは今後、拝殿で修理し、10月1日の「奉据祭」でお披露目される。

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