歩道の点字ブロックに誤り…40年近く放置「初めて訪れた人が戸惑う危険」ようやく改修へ 姫路

2022/09/21 05:30

線状のブロックを敷設すべき位置に、点状のブロックが並ぶ市役所北側の歩道=姫路市安田4

 姫路市役所(兵庫県姫路市安田4)北側の歩道で、視覚障害者を誘導する点字ブロックが設置指針と異なる状態のまま40年近く放置されている。本来は移動方向を示す線状ブロックがあるべき位置に、段差や横断歩道などの存在を警告する点状ブロックが並ぶ。市は「初めて訪れた人が戸惑う危険がある」とし、本年度中に正しいブロックに改修する一方、ほかの公共施設周辺でも同様の誤りがないか調査を進める。(田中宏樹) 関連ニュース 歩道の点字ブロック上に鎖、なぜ? 市に問い合わせると即撤去 ただ、理由はあった 直進可なのに…「禁止」 標示ミス334カ所、違反切符も 1階表示の「G」はなぜ?まさに〇〇〇アイデア! 市役所エレベーター


 市建設局によると、誤った点字ブロックがある歩道は市役所に隣接する約140メートル。現在の庁舎が完成した1980年に整備され、中央に点状ブロックが敷設されている。ブロックは歩道と同じ赤茶色で、同局の佐々木康武局長は「そもそも弱視の人にも優しくない設計だ」とする。
 整備から5年後の85年、日本道路協会が点字ブロックの設置指針を策定。点状は注意喚起のためのブロックと定められたが、市は誤りに気付かず、長年にわたって改修していなかった。
 庁舎南側にも同じように指針と異なる状態の点字ブロックがあり、市議会が危険性を指摘。市は昨年度、約370万円をかけて正しいブロックを設置し、本年度は残る北側の工事に着手する。
 佐々木局長は「十分な点検をせず、交通弱者に配慮する視点が欠けていた」と話し、「支所や出張所といったほかの公共施設の周囲の状況を把握するため、調査を進めたい」とする。
 同局によると、誤った点字ブロックに対し、これまで市民らから苦情は寄せられていないという。

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