神戸

  • 印刷
点字ブロックの上に張られていた鎖=神戸市中央区波止場町5
拡大
点字ブロックの上に張られていた鎖=神戸市中央区波止場町5
点字ブロックの上に張られていた鎖=神戸市中央区波止場町5
拡大
点字ブロックの上に張られていた鎖=神戸市中央区波止場町5

 「神戸・メリケンパーク近くの歩道で点字ブロック上に鎖が張られ、視覚障害者の通行に危険が生じている」。神戸新聞の双方向型報道スクープラボにそんな投稿が寄せられた。6月中旬、神戸市中央区波止場町の現場に行くと確かにあった。しかし管理する神戸市に問い合わせると、鎖は即日外された。事故があってはいけないからだろう。でもこの鎖、うっかりではなく、張っているのには一応、理由があったようで…。(斎藤 誉)

 投稿写真を頼りにメリケンパークの外周を歩いてみると、神戸メリケンパークオリエンタルホテルの駐車場入り口付近、横断歩道の手前で問題の鎖を見つけた。点字ブロックを挟んで立つ2本のポールの間だ。膝ぐらいの高さに張られ、視覚障害者の通行を妨げている。

 どうしてこんなことになっているのか。管轄する市神戸港管理事務所に尋ねると、その日の夕方にはあっさりと撤去された。理由は「指摘の通り、もし事故があってはいけないから」。

 ただ、正しいかどうかはともかく、この鎖には目的があったという。同事務所によると、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて4月25日に出された3回目の緊急事態宣言以降、メリケンパークにある「BE KOBE」モニュメントまで、バイクで侵入する暴走族が増えたらしい。

 土日、祝日など、多い時は約30台にも。苦肉の策で4月末から、モニュメントに最も近い入り口の歩道に、鎖を張ったという。

 ただ、ほかにも進入路がある中で、鎖を張ったのはここだけ。視覚的な抑止を狙ったというが効果は薄く、出入りはなくならなかった。問題の鎖の隣にある鎖には、バイクの進入禁止を伝えるラミネート掲示がつるされていたが、何者かに折り曲げられており、海風にむなしく揺れていた。

 神戸水上署によると、鎖につまずくなどしてけがした人は確認されていない。一方、暴走族の出入りも把握し、警戒しているが、通報を受けて駆け付けても散り散りになって別の出口から逃げられるなど、簡単には取り締まれないという。

 市はバイクの進入を防げるように対策を練り直す方針で、担当者は「すぐに解決できないが、対策を講じたい」としている。

   ◇   ◇

 神戸新聞社は、読者の投稿や情報提供を基に取材を進める双方向型報道「スクープラボ」に取り組んでいます。身近な疑問や困りごとから、自治体や企業の不正告発まで、あなたの「調べてほしい」ことをお寄せください。LINEで友だち登録(無料)するか、ツイッターのダイレクトメッセージで投稿できます。皆さんと一緒に「スクープ」を生み出す場。ご参加をお待ちしています。

神戸スクープラボ
神戸の最新
もっと見る
 

天気(9月19日)

  • 30℃
  • ---℃
  • 10%

  • 28℃
  • ---℃
  • 20%

  • 31℃
  • ---℃
  • 20%

  • 32℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ