ファーミラが本社を置くシオノギファーマの尼崎事業所＝尼崎市杭瀬寺島２（ファーミラ提供）

　塩野義製薬の製造子会社シオノギファーマ（大阪府摂津市）は１日、子会社のファーミラ（兵庫県尼崎市）が事業を始めたと発表した。得意とする薬の連続生産技術を生かし、製薬大手や創薬ベンチャーから治験薬の原薬製造を受託する。本社をシオノギファーマの尼崎事業所内に置き、２０２２年度中に製造棟を新設して受託生産を本格化する。

　ファーミラはシオノギファーマの治験薬事業部を母体として昨年１１月に設立。プラント大手の千代田化工建設のほか、大手ゼネコンの大成建設や竹中工務店、横河電機など５社が出資している。工場や生産設備に関する各社の知見を生かし、自動化を進めた「スマートファクトリー」を目指す。

　当初は、化学合成でつくる低分子医薬品の原薬を中心に手掛け、医薬品開発のスピードアップと安定供給を目指す。同社は「将来は（生物由来の）ワクチンなどにも広げたい」としている。（高見雄樹）