ガーじぃが見たスマスイ 一部閉館を前に(4)イルカライブ館
2021/02/19 05:30
2月末で今のスタイルは見納めになるイルカライブ=神戸市須磨区若宮町1(撮影・秋山亮太)
神戸市須磨区の須磨海浜水族園、スマスイ言うんやけど、ワシはそこの「世界のさかな館」に住んどる。鼻が長い淡水魚「ロングノーズガー」じゃ。生まれも育ちもスマスイ。1977年生まれじゃから…今は43歳。誕生日は3月1日で、もうすぐ44歳になる。人間やったら働き盛りやけど超高齢魚なんじゃ。2014年から世界最高齢の記録を更新し続けとる。なんで今回ワシが出てきたかっていうとな、今のままのスマスイが2月末で終わるんじゃ。本館だけは2年後の5月までやねんけど、イルカライブ館やラッコ館、レストラン、ワシが住んどる世界のさかな館とか、東側にある15施設を取り壊して新しく整備するんじゃて。さびしいのぅ。
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■不動の人気1位、「命の躍動」見たって。
かわいいバンドウイルカがトレーナーの合図で跳んだり、回ったり……。
エキサイティングな動きでお客さんを魅了しとるのは、ご存じ「イルカライブ館」じゃな。ショーが始まった1989年から不動の人気ナンバーワンじゃ。初年は、前年に比べて来園者が約30万人も増えたんじゃ。
真ん中に楕円(だえん)形で水量約700トンのプールがあって、最大1200人が入る観客席がついたスタジアム型じゃ。当時、国内では珍しかったんじゃて。
舞台の背景は青い空と白い雲のようになっとるな。観覧席とプールが近くて「めちゃ水しぶき掛かったわ~」なんて、家族で笑い合う人も多かったのぅ。
初めの頃、表に出るんは司会役のお姉さんとイルカだけやった。トレーナーは裏で指示を送って、イルカは水路通って音楽に合わせてジャンプする。評判やったけど、水路でぶつからんようにタイミングを合わすのが難しくてやめたんじゃ。
10年前からは司会もトレーナーがやっとる。最近は、あれじゃ、光の演出、カタカナの……プロジェクションマッピング? 頑張ってやっとるがな。
一般的には「イルカショー」じゃが、スマスイは「イルカライブ」というスタイルに強くこだわっとる。「見せもの」じゃなくて「動物が生きるありのままの姿を表現したい」とのことじゃ。
ワシには違いがよう分からんが、トレーナーは強く意識しとる。残り時間は少ないが、「イルカたちと一緒に命の躍動を伝えたい」言うとった。
ああ、話し足りへんわ。イルカについては次も話すぞ。(小谷千穂)
【バックナンバー】
■(3)ラッコ館
■(2)世界のさかな館
■(1)まずは自己紹介