「細雪」の世界で夕涼み 谷崎潤一郎の旧家でライトアップ

2021/08/13 05:30

配布されたうちわをあおぎながら涼む来館者=倚松庵

 神戸ゆかりの文豪・谷崎潤一郎の旧家「倚松庵(いしょうあん)」(神戸市東灘区住吉東町1)で、納涼夕涼み会が催されている。名作「細雪(ささめゆき)」の舞台となった風情あふれる建物で、訪れた人は夏の夕暮れをゆっくりと楽しんでいた。13日まで。 関連ニュース 「明治や大正の文豪なんか吹いて飛ばしたるわ」 田辺聖子さん語録 大正7年創業、67年前に神戸から消えたバー「サンボア」 創業の地に復活 阪急夙川駅は「香櫨園」だった 駅前の池、110年前は人気アトラクション

 倚松庵は、谷崎が1936(昭和11)年から43(同18)年まで居住し、松子夫人らをモデルにした「細雪」の舞台にもなった。木造瓦ぶきの2階建てで、応接間と食堂は洋風、その他は和室と、昭和のモダンな暮らしが見受けられる。
 夕涼み会は、建物を管理する神戸市が毎年実施する恒例の企画。ライトアップされた庭園は「細雪」の描写を忠実に再現し、時折聞こえるセミの鳴き声も風流を感じる。ポスターを見て訪れた女性(52)は「なかなか入れないので、今日入れて良かった」と感激していた。
 午後4~7時。無料、申し込み不要。来館者には同館オリジナルのうちわを贈る(なくなり次第終了)。市事業・イベント案内センターTEL078・333・3372
(谷口夏乃)

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