“不惑”過ぎて奮起、練習再開「今が人生で一番強い」 テニス40歳以上単、日本ランク1位の大崎さん
2022/09/13 05:30
テニスの40歳以上の日本ランキングで1位になった大崎浩さん=神戸市西区岩岡町
日本テニス協会が発表する40歳以上の日本ランキングで、神戸市西区の神出学園主任専門指導員、大崎浩さん(44)が1位に輝いた。学生時代はシングルスで全国大会に出場したのが1度だけと目立った選手ではなかったが、仕事の傍ら40歳から本格的に練習を再開し、日本のトップに。10月にある国内最高峰の全日本ベテランテニス選手権で名実ともに日本一を目指す。(今福寛子)
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1位になったのは、男子40歳以上シングルス。35歳以上から5歳ごとの区分で85歳以上まであり、各地で開かれる大会の結果でポイントを獲得できる。
両親の影響で小学3年からテニスを始めたが、中学時代は「さっぱり。伸び悩んだ」。明石城西高校時代もシングルスでは全国に届かず、高知大学4年で初めて出場した全日本学生選手権は初戦敗退に終わった。
実業団の伊予銀行(松山市)で3年間プレーして現役を引退し、高校の保健体育科の教諭に。以来、年に1度の職域大会に出場する程度だったが、試合で大敗した相手から練習に誘われたことがきっかけで、再び本気でラケットを握ることになった。
最初の1年は練習してはけがの繰り返し。そこで「体づくりが一番大事」と、規則的な睡眠、たんぱく質中心の食事、練習後のストレッチなど体のケアに徹底的に気を配るようになると結果が出始めた。現在は仕事の傍ら、家族と職場の理解を得ながら大会に出場。今季は3大会で優勝し、8月更新のランキングでトップに上り詰めた。
若い頃は結果を求めて重圧に負けていたが、40歳を超えて重視するのは過程。試合のためにどこまで準備できたか、1点を取るためにどこまで挑戦できたか。そう考えるとコート上で余裕を持つことができ、接戦に強くなったという。
昔の実績ではかなわない相手や全国レベルの高校生ともいい試合ができるようになり「今が人生で一番強い」と笑う。大一番の全日本選手権へ「全力を出し切ればおのずと結果はついてくる」と力を込めた。