深呼吸 北播磨の清涼スポット(2)つくばねの滝(加東市)

2022/07/20 05:30

滝が打ち付けた水面にできた泡が、ゆっくりと流れてくる=加東市畑

■水音のアンサンブル 関連ニュース 明石歩道橋事故21年、遺族「悲しみ区切りつかず」 絶えぬ事件事故、被害者への連帯の思いも語る 「子どもたち助けられなかった思いが強い」 明石歩道橋事故から21年、現場で遺族ら献花 児童が描いた絵、力作1000点 神戸で作品展 会場内に夜の森も「再現」、虫取りも

 汗ばむ夏。少しでも涼める場所へ、それもなるべく手軽に行きたい…。無精な魂胆を抱え、駐車場から徒歩2分で着くという「つくばねの滝」へ向かった。
 車を降りてすぐの遊歩道に入ると、谷間から水音が響いてきた。木陰の涼しさも手伝って心地よい。手入れされた道は歩きやすく、階段状の斜面を降りれば、もう滝は目の前だ。
 落差は約10メートル。2筋の水流が、段々の岩肌に勢いよくぶつかる。流れる向きを変えては、また次の段差で白いしぶきを上げる。壮観。ため息が出た。
 取材した日は岩場を伝って近寄れた。しゃがみ込み、思い切って水面ぎりぎりでカメラを構えて…。不意にバランスを崩し、片手が水にバシャン。あらら。でも、冷たくて気持ちいい。
 次は少し離れて眺めてみる。耳を澄ますと、岩を打つ滝が「バシャバシャ」、ゆるやかな小川が「チョロチョロ」。まるで深緑の森のアンサンブル。自然の音に包まれ心が落ち着く。「ピィッ」と小鳥の声も降ってきた。(岩崎昂志)
   ■   ■
 終息の見えない新型コロナウイルス禍に加え、今年は猛暑。時には人けのない場所でマスクを外して深呼吸してみませんか。北播磨の清涼スポットを記者が巡ります。

【メモ】つくばねの滝(兵庫県加東市畑)は鹿野川にあり、周辺にビャクダン科の植物ツクバネが自生していることが、名前の由来になった。ツクバネは加東市の天然記念物。近くにある古刹(こさつ)・朝光寺は、国宝の本堂や、5月の伝統行事「鬼追踊(おにおいおどり)」で広く知られる。
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(1)なか・やちよの森ヴァルトコース(多可町)


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