三田阪急、16年の歴史に幕 「小さくて身近な店」惜しむ声
2021/08/02 05:30
なじみの客らが拍手を送る中、のれんを下ろした三田阪急=三田市駅前町(撮影・喜田美咲)
三田阪急が1日、最後の営業を終えた。16年間、三田駅前の「顔」として親しまれてきたが、近隣の商業施設との競争激化や新型コロナウイルスの打撃で業績が悪化していた。感染症対策をした店内では、なじみの客らが別れを惜しむように買い物を楽しんだ。
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商業施設「キッピーモール」の核テナントとして、2005年にオープン。2階のワンフロアで営業し、婦人衣料品や生活雑貨のほか、パン、洋菓子などを販売していた。
店内には、買い物客らが寄せたメッセージを展示。「オープン初日、友人と2人で開店前から並びました!」「三田の貴重な文化拠点、すてきな品との出合いの場がなくなるのは寂しい」などの声が寄せられていた。
開店当初から通う女性(58)=兵庫県三田市=は「洋服やスイーツ、雑貨など、ちょっとした物を買うとき、地元に百貨店があるのは便利だった」。一緒に訪れた女性(68)=同市=は「小さいだけに、店を身近に感じていた」と話していた。(土井秀人)