ひとり親家庭 居酒屋が応援 弁当無償提供、賛同者も続々
2020/05/14 14:05
ひとり親家庭に無償提供している「サクラマス弁当」=神戸市中央区下山手通2
新型コロナウイルスの影響で小中学校などの臨時休校が続く中、ひとり親家庭を支援しようと神戸・三宮で居酒屋を経営する男性が、「淡路島サクラマス」を使った弁当の無償提供を続けている。今月上旬の連休中の2日間に実施したところ、賛同者から食材や資金の提供が相次いだ。男性は「助け合いの広がりに感激した。わずかだが、支えになればうれしい」と話す。
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神戸市中央区の居酒屋「味範家」を営む三原範也さん(32)。2018年3月にオープンし、海鮮料理をメインに営業を続けてきた。だが、コロナの感染が拡大し始めた3月以降、客足は減り、4月に一時休業。同月の売り上げは前年の2割にとどまった。
4月18日から、通常午前0時の閉店時間を午後8時に切り上げて営業を再開した。客入りは厳しく、閉店後も午前0時までテークアウトに対応するなど忍耐の日々が続く。
そうした中、4月11日に次男が生まれた。妻の入院中、2歳の長男の面倒を自分で見なければならず、料理や家事の大変さを知った。「1食でも準備がなくなるだけで、負担はかなり減るのでは」と、ひとり親家庭への弁当の無償提供を決意した。
5月4、5日、芦屋や明石の4店とともに取り組み、味範家では2日間で計13世帯に26食を提供した。すると、取引がある米販売会社の社長が「続けてほしい」と米の寄付を申し出た。飲食店経営者からも資金提供があり、継続を決めた。
弁当に使うのは、旬の淡路島産サクラマス。脂の乗った身をさっぱりとした煮付けに仕上げた。5品ほどの副菜も添え、ボリューム、栄養とも十分。三原さんは「ひとり親家庭の負担を少しでも軽減したい。もっと助け合いが広がれば」と期待する。
1世帯につき1回2食まで。前日までに電話予約が必要で、なくなり次第終了。味範家TEL078・335・2889
(坂井萌香)
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