休園中のライブ配信、施設裏側も紹介 飼育員「全国で見守り育てる感覚は新鮮」

2020/05/14 14:33

王子動物園の公式ツイッターが5月10日に投稿したパンダの動画

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて臨時休園中の動物園や水族館が、会員制交流サイト(SNS)などでの発信に力を入れている。自宅にいながら動物の姿を楽しんでもらおうと、パンダの動画のライブ配信や、関係者しか立ち入れないバックヤードの動画公開など、工夫を凝らした内容に「癒やされる」「勉強になる」と評判も上々だ。(谷川直生) 関連ニュース 「高値」の花…だけど人気は変わらず 「土用の丑」ウナギのかば焼き作りピーク たつのの土で大つぼ制作 伝統技法を現代風に 丹波焼作家今西さん、姫路で作品展 カフェ兼バー、読書スペース…閉園した幼稚園が住民の手で「第3の居場所」に生まれ変わった 宍粟

 兵庫県姫路市の姫路セントラルパークは「おうちでサファリ」と題し、飼育員が動物の様子をリポートする動画を写真共有アプリのインスタグラムで毎日公開する。人気者カワウソがワカサギを頬張るシーンや、ナマケモノの体重測定をする珍しい様子も見られる。
 3月に生まれた赤ちゃんチーターの今しか見られない愛らしい姿を多くの人に届けようとライブ配信も始めた。毎日千人ほどが視聴しているといい、担当者は「飼育員が目を離した隙にやんちゃをしていると、視聴者がコメント投稿で教えてくれることもある。全国の人が見守り育てている感覚は新鮮」と話す。
 神戸市は若者を中心に人気がある短編動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の公式チャンネルを開設。王子動物園のコアラの親子が木登りを楽しむ姿や、須磨海浜水族園のクラゲが水中を漂う幻想的な様子などを配信する。同市の神戸どうぶつ王国もツイッターで発信する。
 大阪市の天王寺動物園では、語呂合わせで飼育の日の4月19日、休園中の園内の様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信。餌を用意する調理場や、サイのトレーニングの様子といった舞台裏を職員がリポート。最大で1200人が視聴し、1万回以上再生された動画もあった。
 ジャイアントパンダ6頭が暮らす和歌山県のアドベンチャーワールドでは、休園日を除き午前11時から正午までパンダ舎の動画をライブ配信する。東京・上野動物園でも、パンダが餌を食べたり遊んだりする姿を連日投稿。公式ツイッターのフォロワーは100万人を突破し、動画の再生回数が10万回を超えることもあった。
 休園による意外な影響も。三重県の鳥羽水族館では、バイカルアザラシの赤ちゃんの愛称を初めてインターネットで募集したところ、通常の4倍近い7090件の応募があったという。ツイッターのフォロワーも3万人以上になり、担当者は「外出自粛でネットを見る人たちが増え、親近感を持ってもらえたのでは」と話した。
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